自宅学習力とは、自分一人で計画を立てて、家で勉強できる力のことだ。自宅学習力は、目の前のテストの点数を上げるために有効であるのはもちろんだが、社会人になっても役立つ力である。
「自宅学習ができる」とは、単に自宅で勉強できるということではなく、自宅学習で成果を出せるということだ。自宅学習が成果につながるかどうかは、誰かの指示を忠実に守るだけでなく、自分でアレンジする力にかかっている。勉強の目的を明確にして、目的を達成するために自分に合った勉強法を見つけ、ライフスタイルや自身の長所、短所に応じたアレンジをすること。そのような取り組みが重要となる。
自宅学習力があるかどうかは、社会人で言うと「言われた仕事をただやる人」と「最善の方法を探し、その仕事でプラスアルファを生み出せる人」の違いだ。だから自宅学習力は、「できる社会人」になるために必要なスキルだと言える。
勉強してもテストで点がとれないのであれば、勉強法が自分に合っているかどうか、確認してみよう。せっかく時間をとって暗記に取り組んでも、記憶として保存されず、テストのときに記憶を引き出せなければ意味がない。記憶を定着させるためには、覚えたら終わりではなく、「覚えたことを忘れないようにしよう」という考え方に切りかえていく必要がある。まずは「自分はどれくらいのタイミングで、何回くり返して覚えれば記憶が抜けなくなるか」という特徴を、自分で把握しよう。
成果が出ない人は、勉強して「知ったつもり」になってしまっている。「知っている」ことと、「理解している」「できる」ことは別ものだ。問題演習を急いで進めたり、答え合わせで終わったりするのではなく、解いた問題が本当に「できる」に至ったのかを確認し、「できる」までくり返そう。「知ること」と「理解する」「できる」の違いを意識するようになると、勉強のやり方も結果も変わってくる。
勉強に苦手意識がある子たちは、どうしても自己肯定感が低くなってしまう。自分を認められないから、自分で決めた勉強法に自信を持てないのだ。
「自分の長所と短所を書いてごらん」と言うと、「記憶力が悪い」「集中力がない」など、短所ばかり挙げる子は多いものだ。だが、記憶力や集中力がない子はいない。ゲームが好きなら、武器の名前やコマンド入力、攻略法などをすぐに覚えて、時間を忘れて夢中になった経験があるはずだ。
自分の短所を決めつけず、長所にも目を向けよう。そうすれば、自分に合う勉強法が見つかるだろう。
テストの点を上げるには、勉強計画がカギとなる。
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