「文章術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。

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出版社
出版日
2021年01月12日
評点
総合
3.7
明瞭性
3.5
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

もっと良い文章を書けるようになりたいと一念発起して、「文章の書き方」の本を読もうとしたものの、たくさんありすぎてどれを選べばよいかわからないという経験をしたことはないだろうか。

本書は、世に数多ある「文章の書き方」の本から100冊を選び、その中で共通している要素を取り出して1冊にまとめたものだ。100冊中何冊で取り上げられているかをランキング化しているため、1位から順に読んでいくだけでも文章術の要点を得られる。これ1冊を読めば多くの本で紹介されている要素を一度に取り入れられるので、大変効率のよい勉強法となるだろう。

文章を書くだけであれば、特別な技能が必要とされるわけではないのでほとんど誰でもできる。だが、長い文章、面白いと思ってもらえるような文章、たくさんの人の心に訴えかける文章を書くことは、簡単ではない。スマホやSNSの普及によって、短文で即席のコミュニケーションをとる機会は増えたかもしれない。しかし、しっかりと構成を練ったうえで、何度も読み返して推敲した、手が込んだ「文章」を書く機会は少なくなったのではないだろうか。

対面でのコミュニケーションが減り、メールでやり取りをしなければならない場面も増えてきている。文章には、その人の人柄や内面の品格がにじみ出るものだ。文章を書くための確かな技能を備えているかどうかは、今後の社会における活躍にも大きな影響を及ぼすだろう。

ライター画像
大賀祐樹

著者

藤吉豊(ふじよし ゆたか)
株式会社文道、代表取締役。有志4名による編集ユニット「クロロス」のメンバー。日本映画ペンクラブ会員。編集プロダクションにて、企業PR誌や一般誌、書籍の編集・ライティングに従事。編集プロダクション退社後、出版社にて、自動車専門誌2誌の編集長を歴任。 2001年からフリーランスとなり、雑誌、PR誌の制作や、ビジネス書籍の企画・執筆・編集に携わる。文化人、経営者、アスリート、グラビアアイドルなど、インタビュー実績は2000人以上。 2006年以降は、ビジネス書籍の編集協力に注力し、200冊以上の書籍のライティングに関わる。大学生や社会人に対して、執筆指導なども行なっている。

小川真理子(おがわ まりこ)
株式会社文道、取締役。「クロロス」のメンバー。日本映画ペンクラブ会員。編集プロダクションにて、雑誌や企業PR誌、書籍の編集・ライティングに従事。その後、フリーランスとして、大手広告代理店の関連会社にて企業のウェブサイトのコンテンツ制作に関わり、仕事の幅を広げる。 現在はビジネス書や実用書、企業をクライアントとするPR誌などの編集・執筆に携わる。子ども、市井の人、イケメン俳優、文化人など、インタビューの実績は数知れず。得意なジャンルは「生活」全般、自己啓発など。自ら企画編集執筆に携わった本に『親が倒れたときに読む本』(枻(えい)出版社)がある。近年は、ライティング講座にも力を注ぐ。

本書の要点

  • 要点
    1
    文章はできるだけシンプルに、型を意識して、見た目も意識する。書き終えた後に必ず推敲し、わかりやすい言葉を用いて、比喩やたとえ話を効果的に使い、接続詞を正しく使う。
  • 要点
    2
    「、」と「。」や「は」と「が」には、使い方のルールがある。そのルールを意識して書くことで、読みやすくわかりやすい文章になるだろう。
  • 要点
    3
    「書き出し」にこだわったり、自分なりの発見や他の人との違いを盛り込んだりすることで、文章がよりおもしろいものになる。

要約

文章術の本100冊に共通するポイントとは

ノウハウをランキング化
RapidEye/gettyimages

本書は、文章術の名著「100冊」を真剣に読み込み、文章のプロが持つ共通のノウハウ、エッセンスを洗い出して、ランキング化したものだ。文章には書き手の個性や職人的な技術が必要だと思われるかもしれないが、実際には小説家、ライター、編集者といった人たちが大切に思っている「共通のコツ」がある。

本書は、多くの著者が「大切」だと説く、すべての人に必要な7つのノウハウをランキングの1位から7位として紹介。以下、さらにスキルアップを目指すためのものを8位から20位、文章のプロでもつまずいたり、意見が分かれたりするノウハウを21位から40位として説明している。とくに、1位から7位で紹介されているルールを意識するだけで、どんな場面でも「わかりやすく、正確な文章」が書けるようになるだろう。

そこで本要約では、まず1位から7位をすべて取り上げ、それ以下の項目からいくつかをピックアップする。

【必読ポイント!】 すべての人に必要な文章術の基本的なルール

シンプルに型にはめる

●1位:文章はシンプルに

「不要な言葉を省く」「1文を短くする」など「シンプルに書く」ことの大切さは、100冊中53冊に記されていた。その内容は、「なくても意味が通じる言葉を削る」と要約できる。これが推奨される理由は、書き手の主張がはっきりして内容が伝わりやすくなること、リズムが良くなることだ。

「そして」などの接続詞、「私は」などの主語、「その」などの指示語のほかに、「まず最初に」「はっきり断言する」といった意味が重複するものが「削りやすい言葉」の候補となる。1文の長さは「60文字以内」が好ましく、80文字だと長過ぎる。ひとつの文に入れる情報をひとつだけに絞る「ワンセンテンス・ワンメッセージ」を心がけると、文が自然と短くなるだろう。

●2位:伝わる文章には「型」がある

思い浮かんだことをそのまま書くより、型に合わせて書いたほうが伝わりやすい文章になる。

真似しやすい型として以下の3つが挙げられる。(1)結論を先に述べる「逆三角形型」、(2)結論を述べたあとその理由と具体例を述べる「PREP法」、(3)結論を最後に述べる「三段型」。「逆三角形型」は、何が言いたいのかを的確に伝えることができ、重要な情報を最初に提示することで読み手の関心を高められる。「PREP法」では結論を2度書き、根拠を明確にして主張を裏付けるため、文章全体に説得力を生む。論文のように結論に至るまでの展開の正しさが必要とされる場合には、「三段型」が有効だ。

スポーツや楽器演奏と同じように、文章も型を覚えるのが上達の近道となる。

見た目から整える

●3位:文章も「見た目」が大事

見た目とは、紙面や画面の字面のことだ。文字の大きさ、行数、空白行、改行のタイミングなどによって、文章の読みやすさや伝わりやすさが変わる。

見た目を良くするためのポイントは、余白、ひらがなと漢字の使い分け、リズムの3つだ。文章を詰め込みすぎず余白を適度にとることで、読み手に圧迫感を与えないやさしい文章になる。また、漢字はひらがなより画数が多いため、堅苦しい印象になる。「事」や「出来る」といった漢字をひらがなにすることで、「漢字2、3割」となるように調整するとよいだろう。そうして文章の見た目を整えると、自然とリズムの良い、読みやすい文章になる。

●4位:文章は必ず「推敲」する

推敲とは、書き終わった文章をより良くするために練り直すことである。推敲は以下の4つを目的とする。

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要約公開日 2021.03.14
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