1行書くだけ日記

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出版社
SBクリエイティブ

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出版日
2021年01月18日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

入社した時は「同期のよきライバル」だったはずなのに、いつの間にか抜きんでている人がいる。これまで積んできたキャリアにも経験にも遜色がないはずなのに、どこで差がついたのか――本書を読むと、そんな「いつの間にか成長している人」の秘密がわかるかもしれない。

著者の伊藤羊一氏によると、成長できる人は、普段の何気ない会話や日常の経験からでも気づきを得て、学ぶことができるという。一方、「自分の平凡な毎日に学ぶことはない」と思い込んでいる人は、なかなか成長しない。

何気なく過ごしている日常から気づきを得る方法として、著者は「1行日記」をすすめる。頭の中で考えても何も生まれなかったとしても、「1行日記」として言語化することで見えてくるものがあるのだ。

実際、日記を習慣にしている人でもなければ、その日の出来事を思い返すことはないだろう。日記を習慣にしている人でも、1週間後、半年後、1年後に読み返して、あれこれ考えることもそう多くないはずだ。だが著者によると、今日、何も見えてこなくても、時間を経たり、グルーピングしたりすることで、いろいろな気づきを得ることは多いという。もしかしたら、日常にこそ気づきは多いのかもしれない。

「1行日記」を習慣にしている著者は、50代の今でも成長が加速しているといっている。何歳でも、どんな人でも成長できるこの習慣は、今日からはじめられるのだ。

ライター画像
中山寒稀

著者

伊藤羊一(いとう よういち)
Zホールディングス株式会社 Zアカデミア学長。
東京大学経済学部卒、1990年日本興業銀行入行、企業金融、債券流動化、企業再生支援などに従事。2003年プラスに転じ、ジョインテックスカンパニーにてロジスティクス再編、マーケティング、事業再編・再生などを担当後、執行役員マーケティング本部長、ヴァイスプレジデントを歴任、経営と新規事業開発に携わる。2015年4月ヤフーに転じ、現在Zアカデミア学長、Yahoo!アカデミア学長としてZホールディングス、ヤフーの次世代リーダー開発を行う。またウェイウェイ代表、グロービス経営大学院客員教授としてリーダー開発を行う。若い世代のアントレプレナーシップ醸成のために2021年4月より武蔵野大学アントレプレナーシップ学部(武蔵野EMC)学部を開設、学部長に就任予定。代表作「1分で話せ」は50万部を超えるベストセラーに。その他「0秒で動け」「1行書くだけ日記」「ブレイクセルフ」など。

本書の要点

  • 要点
    1
    日々の何気ない出来事から多くのことを学び、成長しよう。そのためには「1行日記」が有効だ。
  • 要点
    2
    自分を変えるためにできることは、2つある。ひとつは、非日常的な場に身を置いてみることだ。知らない場所に出かけたり、やったことのない仕事に挑戦してみたりする。もうひとつは、日々の振り返りをすることだ。
  • 要点
    3
    1行日記には、その日に起こった出来事や感じたことを記録する。それを見て、「自分にとってどんな意味があるか」を考え、気づいたことを書き留めよう。自分がとるべき行動を見つけたら、それも書いておく。

要約

「1行日記」を始めた理由

振り返りの習慣を作る
maruco/gettyimages

銀行に入行した著者は、出社することすら苦痛だった。同期がどんどん成果を上げていくのに、自分は足踏みをしていたからだ。人よりも成長が遅いのであれば、そうした何気ない出来事からも学び、自分を変えていかなければ、仕事で世の中に貢献することはできない。そう考えて、毎日の出来事から学びを得るためにはじめたのが「1行日記」である。毎日、1行だけの日記をつけ、振り返りの習慣を作るのだ。

1行日記をつけるようになって、まず仕事の質が変わった。自分のやりたいことが明確になり、納得感を持って、自分の信じる道を進めるようになった。自分との対話を繰り返すことにより、自己理解も深まった。この習慣を続けることで、自己肯定感を持てるようにもなった。

もし、やりたいことがなかったり、自分はこんなはずじゃないと思ったりしているなら、それはチャンスだ。現状への不満は、振り返りの最大のパワーになる。成長の糧はあなたのまわりに転がっているのだから、気になるものやワクワクするもの、うらやましいと思うことなどを丁寧に拾い、振り返りを続けて、気づきを得よう。その回数が、あなたの成長を決める。

気づきの数が多いほど成長スピードは速くなる

自分を変えるためにできることは2つある。ひとつは、非日常的な場に身を置いてみることだ。知らない場所に出かけたり、やったことのない仕事に挑戦してみたりするのもいいだろう。

もうひとつは、日々の振り返りをすることである。その日の出来事を拾い上げて、それが自分にとってどういう意味を持つのかを考えて気づきを得るのだ。そのプロセスを繰り返し、気づいたことを実行してみる。その積み重ねから、自分にとって大きな意味が生まれる。

たとえば、1時間のオンライン会議をボーっと過ごすのではなく、少し意識を変えてみる。そうすると、オンライン会議では伝え方を変えたほうがいい、表情が大きいほうが相手は話しやすいのではないかなど、たくさんの気づきを得られるだろう。1個、2個の気づきでは大きな変化はないかもしれないが、積み重なれば成長につながる。ひとつの経験からより多くの気づきを得る人が、成長の速い人である。

「書く」ことで自分を客観視する
kazuma seki/gettyimages

仕事で成果を上げる人や大学受験に成功する学力をつける人は、「メタ認知力」を持っている。メタ認知とは、「自分が認知していることを認知すること」であり、自分自身を外から見ているように客観視することだ。

メタ認知力を持っている人は、自分を客観視し、自分にあるものとないものを見つけて改善につなげる。自分の仕事や言動をあたかも第三者から見るように俯瞰して、「現状はこうなのか。じゃあ、どうしよう?」と考えることができるのだ。

どうすれば、メタ認知ができるようになるか。そのひとつが、「書く」だ。言葉にすることで、自分がとった行動を客観視できる。また、その場の雰囲気を思い出せるように書けば、客観的にその「場」を見ることになる。その結果、自分で「メタ認知」と同じような状況をつくることができるのだ。これを繰り返すことにより、自分を客観的に見る習慣ができる。

【必読ポイント!】1行日記を書いてみる

1行日記とは何か

1行日記の書き方は簡単だ。毎日、その日に起こったことを書き、書いたことを振り返ってみるだけである。

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要約公開日 2021.04.06
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