図解ストレス解消大全

科学的に不安・イライラを消すテクニック100個集めました
未読
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出版社
SBクリエイティブ

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出版日
2020年10月25日
評点
総合
3.5
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
3.5
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おすすめポイント

「早起きは三文の徳」というけれど、幼い頃から早起きは大の苦手である。週に数回の早起きは避けられないのだが、朝起きた瞬間に、帰宅してすぐ布団にもぐり込む自分を想像してしまう。「帰宅したらすぐ眠れるから、今は早く起きて頑張ろう」と思い体を起こすのだが、さて、これはいいことなのだろうか?

本書では、日常生活で感じる大小さまざまなストレスを、ちょっとした工夫で軽減するための100の科学的な方法が紹介されている。朝、午前、お昼、午後、夜など、一日の時間ごとに使えるテクニックが紹介されているのだが、1番目に登場するのが「朝、目覚めたら楽しい記憶を思い出す」だ。ストレスホルモンが一日の中でも最高値に達するのが朝であり、その値を下げるためにはポジティブなエピソードを思い出すとよいということだった。

そう考えると、要約者が毎朝やっていたことは逆効果だったのではないか。「せっかくの休日だし、頑張って起きて早い時間に家を出よう!」と意気込んでも、どうしても起きられずに一日をダメにしてしまうこともある。そうならないためにも、まずはこのテクニックだけでも実践しようと思っている。

本書は、必ずしも最初のページから順番に読んでいく必要はない。見開き完結型となっているので、気になるものから読んでみてもよさそうだ。要約者はすべてのページを読んだが、驚くほどどれも簡単な動作・習慣ばかりである。ストレスの多い現代社会で少しでも楽に生きるために、ぜひ読んでみてほしい。

著者

堀田秀吾(ほった しゅうご)
言語学者(法言語学、心理言語学)。明治大学教授。1991年、東洋大学文学部英米文学科卒業。1999年、シカゴ大学言語学部博士課程修了(Ph.D. in Linguistics、言語学博士)。2000年、立命館大学法学部助教授。2005年、ヨーク大学オズグッドホール・ロースクール修士課程修了、2008年、同博士課程単位取得退学。2008年、明治大学法学部准教授。2010年、明治大学法学部教授。
司法分野におけるコミュニケーションに関して、社会言語学、心理言語学、脳科学などのさまざまな学術分野の知見を融合した多角的な研究を国内外で展開している。また、研究以外の活動も積極的に行っており、企業の顧問や芸能事務所の監修、ワイドショーのレギュラー・コメンテーターなども務める。著書に『特定の人としかうまく付き合えないのは、結局、あなたの心が冷めているからだ』(クロスメディア・パブリッシング/共著)、『科学的に元気になれる方法集めました』(文響社)、『最先端研究で導きだされた「考えすぎない」人の考え方』(サンクチュアリ出版)など多数。

本書の要点

  • 要点
    1
    脳は3層から成る。ストレスは古いほうの脳で引き起こされるため、新しい脳が何かをして、古い脳から資源を奪うと、ストレスや感情が抑えられる。
  • 要点
    2
    ジョギングは、ストレスが溜まったときだけでなく、ストレスが溜まりそうな出来事の前にあらかじめ行うのもおすすめだ。
  • 要点
    3
    大舞台に臨む前は、無理に自分をリラックスさせるよりも、「わくわくしていこう」などと声に出して、自らを奮い立たせるとよい。
  • 要点
    4
    食欲が止まらないときは、おでこをトントントンとタッピングしてみよう。

要約

脳とストレスについて

いかに科学で脳を騙すか
metamorworks/gettyimages

脳は大きく分けて3層から成る。まず、一番深いところにあり、睡眠・覚醒、心臓、呼吸、自律神経や食欲・性欲のような、本能と深く関係した古い脳である「脳幹」。脳幹をとり巻くように存在し、喜怒哀楽のような、感情や安全欲求などと繋がりがある「大脳辺縁系」。そして大脳辺縁系の周りをとり巻いているのが、もっとも新しい脳であり、理性や知性など「考える」ことに関係する「大脳新皮質」だ。

脳は人が進化してきた歴史を反映しており、新しい脳が古い脳で生じた怒りなどの感情を押さえ込む仕組みになっている。これが「理性」と呼ばれるものだ。

ストレスは基本的に古いほうの脳で引き起こされるため、新しい脳でそれにどう対処していくかを考える必要がある。計算したり、客観視したり、別のことに集中したり……新しい脳が何かをして、古い脳から資源を奪うと、ストレスや感情が抑えられる。

【必読ポイント!】 朝:1日の不安・心配をとり除く

朝イチで楽しい記憶を思い出す

寝覚めが悪いのは、“ストレスホルモン”と言われる「コルチゾール」の値が一日で一番高いのが朝だからである。

ケンブリッジ大学のアスケルンドらは、14歳の若者427名を対象に、「朝からストレスを軽減する」方法に関する実験を行った。被験者たちに、目が覚めたときにネガティブな記憶とポジティブな記憶をそれぞれ合図とともに思い出してもらい、1分後にその反応を調べるというものだ。1年間にわたってその追跡調査を行ったところ、ポジティブな記憶を思い出した被験者の多くはコルチゾールが減少し、長期的に見ても自分のことを否定的に捉えることが減っていると判明した。

そもそもこの研究は、うつ病対策を考慮して行われたものだった。コルチゾールはうつ病の天敵であるため、その値が高くなる朝にポジティブな記憶を思い出すだけで、うつ病のリスクを低下させることができたのだ。

しかし、一日に何度も楽しいことを思い出せばいいわけではない。過去の記憶を思い出す頻度が増えると、記憶障害を引き起こしてしまう場合があるからだ。楽しかったエピソードを思い出すのは毎朝1分間程度にとどめておこう。

ジョギングする
Dmitry Belyaev/gettyimages

嫌なことがあったときやストレスが溜まっているときは、ジョギングをしよう。ハーバード大学のバーンスタインとマックナリーの研究では、被験者を、ジョギングをするグループとストレッチをするグループに分け、30分ほどそれらを行ったあとに、悲しい映画を観てもらった。その結果、どちらのグループも映画を観て悲しい気持ちになったが、ジョギングチームのほうがその後のリカバリーが早く、もう一方とは大きな差があった。

東京大学のリューらによる研究では、走るときに頭部に衝撃がかかることで、脳から分泌される物質が活性化されることが判明している。実験では、マウスを1日30分ほど走らせたところ、覚醒、気分、記憶、自律神経調節などと関係しているセロトニンの受容体が活性化されていることがわかった。さらに、1週間ジョギングを続けると、

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要約公開日 2021.04.04
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