「本の内容が全く理解できなくて読み終わらない」「本を読んでいるつもりなのに知識が積み上がっていかない」と悩んだ経験はないだろうか。この原因は「読む順番を間違えている」ことにあると著者は指摘する。
筋トレでたとえるなら、いきなりベンチプレス100kgに挑戦する人はまずいないはずだ。まずは30kg、40kgと体を鍛えながら、徐々に負荷を高め、ようやく100kgに挑戦する。
難易度が数値化されていないからわかりにくいが、本にも読む順番がある。読書の基礎をつけてからでないと、難解な本は読み解くことができない。特に思想哲学、歴史などの教養本に関しては、まずは初心者向けの本で基礎知識を身につけてから、徐々にステップアップしていくようにしよう。そうすることで、諦めてしまっていた本でも、いずれは深く理解して読破できるようになる。
大学で多くの学生を教えている著者が学生に本を読む習慣をつけてもらうためにお勧めしているのは次の2つだ。まずは「分かりやすい概説書から読むこと」、そして「古典のなかでも比較的読みやすい、理解しやすいものから入ること」である。この2つを並行して進めていくと、自分にも読める、読書は楽しい、という実感や自信を持ってもらうことができる。
著者のお勧めする古典は『論語』だ。私たちにもなじみ深く、一つひとつの話は短くて読み切りやすい。何より、「あの『論語』を読み切った」という成功体験を得ることができるのが肝要だ。
古典をわかりやすく解説した本はたくさんある。まずは簡単なものに触れ、大まかなあらすじを知っておくと、原本を理解しやすくなる。手順さえ間違えなければ、難解な本でもいずれは読破できるのだ。
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