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TTPSマネジメント

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出版社
ディスカヴァー・トゥエンティワン

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出版日
2020年12月20日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

「TTP」(徹底的にパクる)という言葉を聞いたことがある人は多いのではないだろうか。本書はそのTTPに「S」(進化させる)を加えた「TTPS」という方法を提唱するものだ。

「TTPS」とは、著者の一人である中尾隆一郎氏がリクルートでスーモカウンター事業の責任者を務めていたときに生まれた言葉だ。中尾氏らは、6年間でスーモカウンターの売上30倍、店舗数12倍、従業員数5倍という驚異的な結果を出した。このような圧倒的な結果を残せたのは、TTPSを実践していたためだという。そして本書では、TTPSを活用することで、自律自転する個人・組織をつくりあげることができると結論付けている。

TTPを標語として掲げ、実践している個人やチームは多いだろう。しかし本書を読めば、組織として成長し、成果を上げていくためには、組織全体でTTPすることができるかどうかが重要なポイントとなることがわかる。組織において、学びの仕組み化ができれば、やがて「S」につなげることができるからだ。

自律自転する個人を育てたい、自律自転する組織をつくりたいと願う方は、ぜひ本書で明かされるノウハウや事例を参考にしていただきたいと思う。もちろん、TTPを実践しているがうまく成果が出ていないと悩む方や、チームをより活性化させたいと考えている方にも、強くお勧めできる一冊だ。

著者

中尾隆一郎(なかお りゅういちろう)
株式会社中尾マネジメント研究所(NMI) 代表取締役社長
株式会社旅工房取締役、株式会社LIFULL取締役、LiNKX株式会社監査役
1989年リクルート入社。29年間で主に住宅、人材、IT領域に従事。住宅領域の新規事業であるスーモカウンターを6年間で売り上げを30倍、店舗数12倍、従業員数を5倍にした立役者。リクルートテクノロジーズ社長時代はリクルートグループ全体の方針「ITで勝つ」にIT人材大量採用で貢献。リクルートテクノロジーズ代表取締役社長、リクルート住まいカンパニー執行役員等を歴任後、株式会社中尾マネジメント研究所(NMI)を設立。
専門は事業執行、事業開発、マーケティング、人材採用、組織づくり、KPIマネジメント、ОJTマネジメント、管理会計など。良い組織づくりの勉強会(TTPS勉強会)主催。著書に『最高の結果を出すKPIマネジメント』(フォレスト出版)ほか多数。

鈴木利和(すずき としかず)
合資会社ベルノート 無限責任社員
1991年リクルート入社。「全員がリーダーシップを発揮する創造的な組織づくり」を入社動機に、研修プログラムの商品開発に従事。2005年、新商品・サービスをつくるプロジェクトを通じてのリーダー育成と組織づくりのコンサルティングを事業化。2010年、ベトナムでのコンサル会社の子会社立ち上げプロジェクトに従事。ベトナムが縁でスーモカウンターでの取り組みを知り、自律自転の組織づくりを広めるためにTTPS勉強会を始め、実践の場としての「ありえる楽考」を主催。

肱岡優美子(ひじおか ゆみこ)
国内大手IT企業にて、Employee Experienceを軸としたインターナルコミュニケーションデザインに従事。「人と組織をエンゲージする」をモットーに、グラフィックファシリテーションを活用した場づくりや社内広報活動を行っている。2018年よりTTPS勉強会事務局に参画。

本書の要点

  • 要点
    1
    TTPSは「徹底的にパクる」「進化させる」の2つを基本構造とする。そこに「制約条件理論」と「G-POP」という考え方を組み合わせることで、より高い効果が得られる。
  • 要点
    2
    TTPの段階で成果を出すためには、「一般の人が真似できる、天才的すぎないハイパフォーマーを特定する」「ハイパフォーマーへのインタビューなどによって、じっくり現状を把握する」「ハイパフォーマーとミドルパフォーマーを比較する」の3つのステップを踏むとよい。
  • 要点
    3
    TTPSのコツの一つは、「徹底的に」パクることである。

要約

TTPSとは何か

TTPで成果を出すための3つのステップ
recep-bg/gettyimages

本書のテーマであるTTPSとは、「徹底的にパクる」の頭文字を取ってつくられた「TTP」という造語に、S(進化させる)を加えたものだ。すなわちTTPSとは、「徹底的にパクって進化させる」を意味し、「徹底的にパクる」と「進化させる」の2つを基本構造とする。TTPSという方法を学ぶことで、組織や個人は自律自転できるようになる。

TTPで成果を出すポイントは、TTPすべきポイントを正確にTTPすることだ。ここで、TTPで成果を出すための3つのステップを紹介しよう。

1つ目のステップは、一般の人が真似できる、天才的すぎないハイパフォーマーを特定することだ。続いて2つ目のステップとして、ハイパフォーマーへのインタビューなどを行い、じっくり現状を把握する。

ただ、現状把握だけでは、十分な効果が見込めないこともある。なぜなら、ハイパフォーマーが当たり前にやっていることの中に、高いパフォーマンスの秘訣があることが多いからだ。

そこで3つ目のステップとして、「比較」を行う。ハイパフォーマーとミドルパフォーマー(平均的な業績をあげる人)が実際にやっていることを、業務の流れと具体的な行動について、徹底的に比較していこう。ハイパフォーマーがやっていて、ミドルパフォーマーがやっていないことを見つければいい。

定期的な仮説検証が新たなTTPSを生む

ハイパフォーマーの成果の秘訣を見つけ、TTPしていく際は、チームを挙げて取り組むようにしよう。そのほうが、成功事例や失敗事例を振り返る機会をつくりやすいからだ。

定期的に振り返りを行うことで、さらに成果が上がりやすくなる。そうして仮説検証をくり返していく中で、TTPしていたハイパフォーマーを超えるような新たなポイントが見つかり、「S」(進化)への糸口となる。

制約条件理論とG-POP

TTPSを実践する上で、押さえておきたい考え方がある。「制約条件理論」と「G-POP」だ。

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要約公開日 2021.04.09
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