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不老長寿メソッドの表紙

不老長寿メソッド

死ぬまで若いは武器になる


本書の要点

  • 私たちの祖先ホモ・サピエンスは、つねに「苦痛」と「飢餓」のある生活を送っていた。

  • 「適度な苦痛」により、人間の体内に宿る「若返りシステム」が起動する。苦痛と回復を繰り返すことで、私たちの身体と脳は若返る。

  • 肉体の若返りには「プログレス・エクササイズ」や「AMPK食事法」が効く。前者は日常的な活動量を段階的に上げていく運動法で、後者はファスティングなどで肉体を最適化する食事法だ。

  • あえてストレスを感じる行動を取ることで、メンタルが若返る。

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時計の針は巻き戻せる

サルデーニャ島の老人はなぜ若々しいのか?

Margaryta Basarab/gettyimages

地中海に浮かぶ風光明媚なリゾート地、イタリア・サルデーニャ島。この島は、世界の科学者たちが注目する「超長寿エリア」でもある。100歳以上の老人は世界で最も多く、その数は一般的な先進国の10倍にあたる。しかも、彼らはただ長生きであるだけではなく、健康で楽しく過ごしている。寝たきり老人はゼロ。それぞれが家族や友人と強いきずなを持ち、趣味を楽しみながら死ぬまで働き続ける。まさしく彼らは死ぬまで人生を楽しんでいるのだ。

南米ボリビアに住むチマネ族も長寿だ。アマゾンで狩猟と採集をしながら暮らしている原住民族で、年を取っても心臓病が皆無に等しい点が注目されている。動脈硬化や心筋梗塞などの発症はほぼゼロで、高血圧や肥満リスクも見受けられない。

本書では、彼らのような「常識を超えた若さ」を保ち続ける人々のライフスタイルを参考に、科学の視点からアンチエイジングの要点を紹介していく。ここ十数年で、ヒトの老化に対する理解は格段に進み、若さを保つポイントが明らかになってきた。もちろん、すべての生き物にとって老いは避けられない。しかしある程度までなら、時計の針は巻き戻せるのである。

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【必読ポイント!】 若返りのサイクル

若返りシステムを起動させる「苦痛」

まずは理論編だ。本書で紹介するアンチエイジングの肝は、苦痛と回復のサイクルを何度も回すことである。苦痛についていうと、「適度な苦痛」は私たちの能力を高める。「仕事で味わった苦労が転職に役立った」というような経験は誰しもあるだろう。「運動」もそのひとつだ。1日15分の激しいエクササイズをするだけで、心疾患の病気で死亡する確率を45%、全死亡率を30%も減らすほどの効果を得られるという。そして「肉体が若い人は見た目も若い」ことは、複数の研究で実証されている。

「運動と健康の因果関係」は明らかになっていないが、もっとも有効とされる考え方が「ホルミシス」という現象である。

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要約公開日 2021.03.26
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