不老長寿メソッド

死ぬまで若いは武器になる
未読
不老長寿メソッド
不老長寿メソッド
死ぬまで若いは武器になる
著者
未読
不老長寿メソッド
著者
出版社
かんき出版

出版社ページへ

出版日
2021年02月03日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
要約全文を読むには
会員登録・ログインが必要です
本の購入はこちら
書籍情報を見る
本の購入はこちら
おすすめポイント

不老長寿メソッド。本書のタイトルに心ときめいた方は、かなりいらっしゃるのではないだろうか。いつまでも若々しく、健康で長生きしたい。誰もが抱く永遠の望みであり、歴史上の偉人たちも然りである。人類の歴史は、「不老長寿」への果てなき欲望でつくられたと言っても過言ではないだろう。

人生100年時代を迎え、ただ長生きするだけでなく、健康寿命をいかに延ばすかどうかは重要な関心事である。アンチエイジング、美容、フィットネス、健康食品は一大マーケットだ。溢れんばかりの情報に、わかっていても踊らされているのは、要約者だけではないだろう。

本書の「不老長寿」に対する基本的な考え方は、いたってシンプルである。「苦痛」と「回復」を繰り返すこと、それだけだ。人類の祖先であるホモ・サピエンスが登場して20万年、私たちの暮らしは驚くほど飛躍した。しかし、肉体そのもののつくりはほぼ変わっていない。原始のライフスタイルは、現代を生きる私たちの脳にも受け継がれている。そのエッセンスを落とし込んだメソッドで、若返りを実践するというのが本書の肝である。

著者は新進気鋭のサイエンスライター・鈴木祐氏。10万本の科学論文を読破し、国内外600人を超える専門家へ取材を実施してきた。それをベースにした科学的エビデンスのあるアンチエイジング術の集大成が本書だ。すぐに実践できる方法が余すところなく紹介された、お得すぎる一冊である。健康を維持したい方なら本書を読まない手はないだろう。

ライター画像
矢羽野晶子

著者

鈴木祐(すずき ゆう)
新進気鋭のサイエンスジャーナリスト。1976年生まれ、慶應義塾大学SFC卒業後、出版社勤務を経て独立。10万本の科学論文の読破と600人を超える海外の学者や専門医へのインタビューを重ねながら、現在はヘルスケアや生産性向上をテーマとした書籍や雑誌の執筆を手がける。
自身のブログ「パレオな男」で心理、健康、科学に関する最新の知見を紹介し続け、月間250万PVを達成。近年はヘルスケア企業などを中心に、科学的なエビデンスの見分け方などを伝える講演なども行っている。
著書に『最高の体調』(クロスメディア・パブリッシング)、『ヤバい集中力』(SBクリエイティブ)他多数。

本書の要点

  • 要点
    1
    私たちの祖先ホモ・サピエンスは、つねに「苦痛」と「飢餓」のある生活を送っていた。
  • 要点
    2
    「適度な苦痛」により、人間の体内に宿る「若返りシステム」が起動する。苦痛と回復を繰り返すことで、私たちの身体と脳は若返る。
  • 要点
    3
    肉体の若返りには「プログレス・エクササイズ」や「AMPK食事法」が効く。前者は日常的な活動量を段階的に上げていく運動法で、後者はファスティングなどで肉体を最適化する食事法だ。
  • 要点
    4
    あえてストレスを感じる行動を取ることで、メンタルが若返る。

要約

時計の針は巻き戻せる

サルデーニャ島の老人はなぜ若々しいのか?
Margaryta Basarab/gettyimages

地中海に浮かぶ風光明媚なリゾート地、イタリア・サルデーニャ島。この島は、世界の科学者たちが注目する「超長寿エリア」でもある。100歳以上の老人は世界で最も多く、その数は一般的な先進国の10倍にあたる。しかも、彼らはただ長生きであるだけではなく、健康で楽しく過ごしている。寝たきり老人はゼロ。それぞれが家族や友人と強いきずなを持ち、趣味を楽しみながら死ぬまで働き続ける。まさしく彼らは死ぬまで人生を楽しんでいるのだ。

南米ボリビアに住むチマネ族も長寿だ。アマゾンで狩猟と採集をしながら暮らしている原住民族で、年を取っても心臓病が皆無に等しい点が注目されている。動脈硬化や心筋梗塞などの発症はほぼゼロで、高血圧や肥満リスクも見受けられない。

本書では、彼らのような「常識を超えた若さ」を保ち続ける人々のライフスタイルを参考に、科学の視点からアンチエイジングの要点を紹介していく。ここ十数年で、ヒトの老化に対する理解は格段に進み、若さを保つポイントが明らかになってきた。もちろん、すべての生き物にとって老いは避けられない。しかしある程度までなら、時計の針は巻き戻せるのである。

【必読ポイント!】 若返りのサイクル

若返りシステムを起動させる「苦痛」
まずは理論編だ。本書で紹介するアンチエイジングの肝は、苦痛と回復のサイクルを何度も回すことである。

苦痛についていうと、「適度な苦痛」は私たちの能力を高める。「仕事で味わった苦労が転職に役立った」というような経験は誰しもあるだろう。「運動」もそのひとつだ。1日15分の激しいエクササイズをするだけで、心疾患の病気で死亡する確率を45%、全死亡率を30%も減らすほどの効果を得られるという。そして「肉体が若い人は見た目も若い」ことは、複数の研究で実証されている。

「運動と健康の因果関係」は明らかになっていないが、もっとも有効とされる考え方が「ホルミシス」という現象である。

もっと見る
この続きを見るには...
残り3585/4420文字

3,400冊以上の要約が楽しめる

要約公開日 2021.03.26
Copyright © 2024 Flier Inc. All rights reserved.
一緒に読まれている要約
「探究」する学びをつくる
「探究」する学びをつくる
藤原さと
未読
人生論ノート
人生論ノート
三木清
未読
成果・イノベーションを創出するダイバーシティ・マネジメント大全
成果・イノベーションを創出するダイバーシティ・マネジメント大全
西村直哉
未読
科学とはなにか
科学とはなにか
佐倉統
未読
ブループリント(上)
ブループリント(上)
鬼澤忍(訳)塩原通緒(訳)ニコラス・クリスタキス
未読
乃公出でずんば
乃公出でずんば
北康利
未読
ハートフルネス
ハートフルネス
スティーヴン・マーフィ重松島田啓介(訳)
未読
予算ゼロでも最高の人材が採れる まちがえない採用
予算ゼロでも最高の人材が採れる まちがえない採用
鴛海敬子
未読