コミュニケーションは、「ココロ」を「カタチ」にすることだ。だからコミュニケーション力とは、ココロをカタチにする力であり、表現力とも言い換えられる。この力は誰でも、いつからでも磨くことができる。
対面でのコミュニケーションなら五感を使って表現できる。一方、オンラインの場合は、基本的に視覚と聴覚の2つしか使えないため、伝わりにくくなってしまう。日本人が得意とする「察する」「空気を読む」コミュニケーションは、オンラインでは困難だ。したがって、まずは「察してほしい」という気持ちを捨て、「表現する」力を磨こう。
すでにリアルでの信頼関係ができあがっている場合は、オンラインコミュニケーションでもさほど支障はない。しかし、初対面の相手との打ち合わせや金銭的なやりとりが発生する場合は、対面より早い段階で相手の印象が決まったり、相手を評価したりすることが多いものだ。だからオンラインでは、対面でのコミュニケーション以上に、コミュニケーション力や印象力が必要となる。
とはいえ、オンラインか対面かは手段の違いにすぎない。オンラインコミュニケーションのコツを小手先のテクニックとして身につけるのではなく、コミュニケーションの基本を理解し学んだ上で、リアルのときに加えてオンラインでより気をつけるポイントを学んでほしい。
ビジネスパーソンにはコミュニケーション力が必要だとよく言われる。仕事においては、個人の能力そのものよりも、他者との関わりの中で経験を積み、成長していくことが重要だからだ。若いうちから周囲に応援され、頼られる人物になることが、成功への近道となる。
その中でも、結果を出し続けるビジネスパーソンになるために必要なのは、「好かれる」と「信頼される」を両立したコミュニケーション力である。「好かれる」に関して言えば、若手社会人の場合、組織に貢献したいと思っても、実際には即戦力として活躍することよりも先に「チームの一員」「仲間」として受け入れてもらうことが重要だ。まずは人として「好かれる」ことを意識し、チームの一員として受け入れてもらおう。
次に、「信頼される」だ。ビジネスパーソンとして給料をもらって仕事をする以上、信頼感は不可欠である。いくら愛されても、社会に出るとそれだけではいけない。常に「信頼される」コミュニケーションを意識しよう。
オンライン会議では、オフライン以上にファシリテーター(進行役)の必要性が高まる。
ファシリテーションには大きく2つのステップがある。1つ目は「一体感のある場作り(発散)」だ。このステップは、「冒頭で『一体感』を作る」「その集まりのゴールを明確にする」「メンバー一人ひとりに目を配り、意見を引き出す」の3つに分けられる。
一体感を作るためには、全員が「参加者」であることを意識させる工夫をしよう。タイムキーパーなどの役割分担をしたり、
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