世界最高の話し方
世界最高の話し方
1000人以上の社長・企業幹部の話し方を変えた! 「伝説の家庭教師」が教える門外不出の50のルール
世界最高の話し方
出版社
東洋経済新報社

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出版日
2020年11月12日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

プレゼンと英会話には、共通点がある。いずれも最初は「失敗したら恥ずかしい」と引っ込み思案になり、できるだけ無難にやり過ごそうとする。「何としてもこれだけは言わなくては」という場面がくると、用意したメッセージを一生懸命しゃべるのだが、なかなかうまく伝わらない。このような状態で悩んでいるビジネスパーソンは多いのではないだろうか。

本書はまさにプレゼンをはじめ、「伝える」ことに悩んでいるビジネスパーソンのための書だ。著者が強調するのは、相手の感情を動かすことの重要性である。一方的に話すのではなく、話し手と聞き手が双方向にやりとりし、そこに何らかの「化学反応」が起きたとき、はじめて伝わり、人が動く。「言えば、伝わる」と思うのは、大きな間違いなのだ。

アップルの創業者、故スティーブ・ジョブズ氏のプレゼンは、聞き手を魔法にかけると言われるほどのものだった。彼は生まれつきそのような素質を備えていたのだろうか? それも多少はあるかもしれない。しかしあくまで「多少」だ。ジョブズのような不世出のカリスマでも、重要なプレゼンがあると、本番の数週間前から準備してリハーサルを繰り返していたのだという。

話し方がうまくなりたいなら、練習するのみだ。本書に従い、TEDトークなどでお手本となる話し方を繰り返し見たら、あとはスポーツのように体にしみこませよう。プレゼンで、そして日常のビジネスの場で言いたいことが伝えられるようになれば、英会話ができるようになるのと同じくらい、人生が変わるだろう。

ライター画像
ヨコヤマノボル

著者

岡本純子(おかもと じゅんこ)
「伝説の家庭教師」と呼ばれるエグゼクティブ・スピーチコーチ&コミュニケーション・ストラテジスト。株式会社グローコム代表取締役社長。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。英ケンブリッジ大学院国際関係学修士。米MIT比較メディア学元客員研究員。
1991年、読売新聞社に入社。経済部記者時代に、孫正義ソフトバンク社長など、世界の経済人、政治家を多数取材する。2001年に退社後、渡米してメディア研究に従事したのち、電通パブリックリレーションズに入社。「PRコンサルタント」として日本のトップリーダーのメディアトレーニング、プレゼンコーチングを始める。
2014年に再び渡米し、ニューヨークで、俳優や大学教授、企業エグゼクティブ、ボイストレーナー、ボディランゲージやプレゼンの専門家たちから、「グローバルリーダー」のコミュニケーション術を学ぶ。帰国後、株式会社グローコムを立ち上げ、以後、エグゼクティブ向けコミュニケーションコーチ、企業PRコンサルタント、ジャーナリストとして活動する。
新聞記者時代に鍛えた「言語化力」「表現力」とニューヨークで学んだ「パフォーマンス力」「科学的知見」を融合したノウハウをもとに、大手都市銀行、商社、電機メーカー、自動車メーカー、通信会社など日本を代表する大企業や外資系のリーダー、官僚・政治家など、「トップエリートを対象としたプレゼン・スピーチ等のプライベートコーチング」に携わる。
これまでに1000人を超える社長、企業幹部に、「秘伝のコミュニケーションノウハウ」を伝授。その「劇的な話し方の改善ぶり」と実績から「伝説の家庭教師」と呼ばれ、好評を博している。
「東洋経済オンライン」「プレジデントオンライン」などでは、「コミュ力の鍛え方」について、定期的に情報発信をしている。『世界最高の雑談力』(東洋経済新報社)が2022年6月24日に発売予定。

本書の要点

  • 要点
    1
    人は自分の聞きたい情報だけ受け入れるものだ。正論やファクトを振りかざしても、相手の心は動かせない。
  • 要点
    2
    簡潔に要点を伝えるには、(1)言いたいことを全部出す、(2)出した中から「心が動く言葉」をピックアップする、(3)13文字程度に「たたむ」という3つのステップを踏むとよい。
  • 要点
    3
    「論理」と「感情」の両輪を使った「エモロジカル」な話し方をすれば、簡単に人を動かすことができる。重要なのは、絵を見せるように話すことだ。

要約

「もっと話したい!」と思わせる雑談・会話のルール

「何を話すか」より「どんな気持ちにさせるか」

雑談は、英語では「スモールトーク(small talk)」といわれるが、その効果は決して小さいものではない。本質的な会話の「入口」であり、人間関係構築の第一歩である。

海外のエグゼクティブと話すと、会話への入り方がじつに巧みだ。雑談によっていっきに距離感を縮め、お互いの心が通い合う「ラポール」という状態をつくり出していることがわかる。

誰かと会った後、「会話の内容」は覚えていないけれど「印象・気持ち」は残っているという経験はないだろうか。「何を話したか」は忘れても、「何を感じたか」は一生残るものだ。雑談は、この印象を形づくる「アピールタイム」だと心得よう。

「ど」を使えば、会話は弾む
monzenmachi/gettyimages

人は、自分の聞きたい情報だけを受け入れる生き物だ。正論やファクトを振りかざしたところで、相手の心は動かせない。自分への執着やエゴを手放すことが、雑談や会話を上達させる第一歩だ。

では、どうすれば相手に気持ちよく話してもらえるようになるのか。そのカギを握るのは「質問力」だ。相手に投げかける質問は、イエスかノーで答えられる「クローズドクエスチョン」よりも、自由に答えられる「オープンクエスチョン」を選ぶといい。そのほうが、会話が弾みやすいからだ。「どう、どんな」や「どうやって、どうしたら」といった、「ど」から始まる質問をしてみよう。「どう思う?」「どんな〇〇が好き?」「どうしたい?」「どこの出身?」「調子はどう?」「どうしたら?」という6つの質問さえ覚えておけば、10分程度の会話は難なく切り抜けられるはずだ。

シンプルクリアな説明のルール

「13文字以内に絞り込んだ一言」をつくる

ウェブ会議が多用されるリモートワーク時代においては、簡潔に要点を伝える技術がこれまで以上に必要だ。何かを理解してもらったり、売ったりするためには、「言いたいことを一言でまとめる」クセをつけるといいだろう。まとめる文字数は10~20字が望ましいが、可能ならば13文字以内に絞り込み、「読む」というよりも「見る」ことで直観的に理解してもらえるような一言をめざしてみよう。

「魂の一言」をつくりあげるには、3つのステップを踏むといい。まず、言いたいことを全部出す「言葉の『棚卸』」だ。続いて、棚卸した中から「心が動く言葉」をピックアップする。そして最後に、5つの方法を使って、13文字程度に「たたむ」。たたむための5つの方法とは、意外なものにたとえる、具体的な数字を入れる、「相手にとって得すること」が伝わる言葉を入れる、

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要約公開日 2021.03.13
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