著者は「気づかい」を「相手に対する愛情、思いやり、感謝の気持ちを行動にあらわすこと」と定義している。ここでいう「行動」とは、「ありがとうございます」と言葉にしたり、手紙やプレゼントを贈ったりして、感謝の気持ちを形にすることだ。
気づかいが上手にできるようになると、次のような5つのメリットがある。
(1)人から好かれる
(2)近道をして成長できる
(3)チャンスが増える
(4)人生で成功できる
(5)心ゆたかに生きられる
仕事を成功させるためには、相手によろこんでもらうことが大切だ。成功する人とは、「相手によろこんでもらいたい」「幸せになってもらいたい」と考えて、行動に移している人である。
「私は気が利かないから、気づかいができない」と悩む人もいるだろう。だが、気づかいは誰でも身につけられるものだ。
「気づかい」を身につけるためのポイントは3つある。1つ目は、自分がうれしいと感じることを、相手にすること。ほめられるとうれしいなら、相手をほめる。待ち合わせに遅れないで来てくれることがうれしいのなら、時間に遅れない。ありがとうと言ってもらえるのがうれしいなら、ありがとうと言う。自分がなにをうれしいと感じるかを洗い出し、そのまま行動してみよう。
しかし、あなたにとってはうれしいことでも、相手がよろこんでくれるとは限らない。そこで2つ目のポイントは、相手の立場になって「うれしいと感じてもらえること」を考えることだ。普段から愛情をもって相手を観察していると「よろこびポイント」がわかってくる。記念日の情報など、何気ない会話の中から相手がよろこぶことをキャッチし、行動に移してみよう。
最後のポイントは、周囲を観察し、「人は何によろこびを感じるか」を学んでいくことだ。周囲を観察し、その真似をする。最初はうまくいかなくても、やがてあなたにしかできない気づかいが生まれるはずだ。
ビジネスにおいて、相手との必要以上の関わりを少なくしていこうという傾向のある現代では、気づかいの判断基準が難しくなっている。「余計なことだと思われるかもしれない」と感じ、行動をためらってしまう場合もあるだろう。
しかし、いくら世の中やビジネスが変わっても、人が何かをしてもらったり、何かしたときにお返しがあったりすることによろこびを感じるのは変わらない。
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