幸福感や充実感に満ちた生き方を実践するために重要なことは何か。それは自分が「何に」「どのくらい」時間を使っているかを知ることだ。まずは自分の1週間の生活を記録してみよう。仕事・食事・睡眠・ゲームなど、自分が1日に使っている時間を可視化する。
最初は記録するのが面倒に感じるかもしれない。そのハードルをクリアするためにおすすめの記録ツールが4つある。それは「Twitterを使う」「Webカレンダーを使う」「アプリを使う」「手書きで記録する」である。
おすすめの無料アプリは「Toggl Track」「MyStats」だ。自分にとって使い勝手のよいツールを選ぶとよいだろう。いずれも15~30分単位で記録をするのがおすすめである。これにより、ついネットサーフィンに時間を費やしているなどと実態を把握でき、時間の使い方に意識的になれる。
自分の時間の使い方を可視化したら、次は時間のデザイン方法を見ていこう。時間の使い方を考えることは、人生をどう生きるかを考えることと同義である。
1日の予定をつくる際、深い思考が必要な仕事(ディープワーク)と、作業として取り組める仕事(シャローワーク)に分けてみるとよい。すると上手に時間とエネルギーを使えるはずだ。特に午前中には、その日最も大切なディープワークを入れよう。なぜなら人間の意志力には限りがあり、1日の始まりが最大だからだ。時間が経つごとに、そして何かを選択するごとに意志力は減っていく。
具体的には、始業時間より前に「自分の時間」すなわち「サンクチュアリ(聖域)」をつくり、大切な仕事に没頭できるようにしよう。始業前に集中できる環境と意志力の高い脳でディープワークを効率よく処理し、意志力が低下してきた午後にシャローワークを盛り込むとよい。
「週末までに提出する資料があるため、水曜日までに上司の許可を取る」。こんなふうに、日々の予定を逆算して考えるやり方を、「日常のスケジュール」という。著者は日常のスケジュールに「未来思考のプランニング」を加えた、2種類の逆算プランを立てることを提唱する。後者は、「こういう3年後にしたい」などと、日常のスケジュールよりも長いスパンで行動を考えるプランニングを意味する。
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