ボイステックの源流は、2011年にiPhoneに搭載された音声アシスタント「Siri(シリ)」にさかのぼる。これは音声によるコンピューターへの情報入力を可能にした。その後、2014年にアマゾンの「Alexa(アレクサ)」、2016年にはGoogleの「Googleアシスタント」が相次いでスマートスピーカーに搭載された。現在も各社はその精度を高め、新型スマートスピーカーを次々にリリースしている。
スマートスピーカーのように、音声による情報入手を可能にする技術は、「画面に縛られた生活からの解放」につながるという点で実に革新的だ。そして2020年にはボイステック革命の第一波がついに日本にもやってきた。
人類はこれまで情報との接点を、技術革新によってアップデートしてきた。大昔は会話を通じて情報伝達をしていたが、文字ができたことで情報を書き残せるようになった。印刷技術が誕生すると、情報を複製し拡散することが容易になり、本、雑誌、新聞などのメディアが台頭するようになる。さらには音声や映像の記録技術も進歩し、ラジオ、テレビといったマスメディアが時代を席巻した。
そして次に登場したのがパソコンやスマホだ。ITデバイスにより、誰もが情報を発信し能動的に情報収集できるようになった。パソコンやスマホはパーソナライズが可能なため、広告のあり方も変化し、マネタイズもより高度化・加速化していくこととなる。
この情報インターフェイスの変遷は、「流通する情報量の増加」と同時に、「情報へのアクセシビリティの変化」も意味している。
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