チームが自ずと動き出す 内村光良リーダー論

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チームが自ずと動き出す 内村光良リーダー論
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チームが自ずと動き出す 内村光良リーダー論
出版社
朝日新聞出版

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出版日
2021年06月30日
評点
総合
3.7
明瞭性
3.5
革新性
3.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

仕事に対する考え方、在宅勤務による働き方など、変化が激しい現代で、どのようにチームを率いていくべきか頭を抱えているリーダーの方も多いのではないか。

本書はお笑いタレントである内村光良氏の言動を関係者のインタビューを通じて分析することで、時代に適したリーダー論を解説した一冊である。内村氏は、明治安田生命保険による理想の上司ランキングで5年連続1位に輝いた。それだけでなく、業界内では「内村氏の現場は必ずいいチームができる」という噂があるほどである。

そこで著者は内村氏のリーダー論を分析するために、内村氏と数々の作品を共にした共演者、番組の制作関係者など計24人に取材を行った。明らかになったのが、内村氏が率いるチームは各メンバーが自発的に動き出し、伸びていくという特徴である。

この自ずと動き出すチームという特徴を因数分解して、いいチームを作るリーダーの要素を言語化。そして、一般的な組織でも活用できるようにしたのが本書である。本書では内村式リーダー論をリーダーシップ、チームマネジメント、コーチング、マインドづくり、パーソナリティーづくりの区分に分けて解説している。

お笑い業界で大御所的な存在となった内村氏が身に付けたリーダー論は、メンバーの自主性を育てるなど時代に即したものになっている。ぜひ内村式リーダー論を身に付けて、チームの潜在能力を最大限引き出していただきたい。

ライター画像
木下隆志

著者

畑中翔太(はたなか しょうた)
1984年生まれ。埼玉県出身。中央大学法学部卒。博報堂ケトルクリエイティブディレクター/プロデューサー。これまで多くの企業・ブランド・地域の広告キャンペーン制作におけるプロジェクトリーダーを担当。近年は、TVドラマやバラエティ番組などの企画・プロデュースも務める。これまでに国内外200以上のクリエイティブアワードを受賞。クリエイター・オブ・ザ・イヤー メダリスト。まちおこしがライフワークで、“絶やしたくない町の絶品グルメ”を守るプロジェクト「絶メシ」の生みの親。

本書の要点

  • 要点
    1
    内村氏は「緊張させない」「自由に放牧する」という方法で、メンバーの潜在的な能力を引き出している。
  • 要点
    2
    メンバーを「自由に放牧する」ことで着実に成果を上げるには(1)放牧によって各自の自主性を育てること、(2)目指すべき目標の「旗」をメンバーが努力して届く範囲に立てること、(3)たとえメンバーが失敗してもリーダーが「その結果ごと背負う」覚悟を持つことが必要である。
  • 要点
    3
    自己成長を続けるためには、「過去の自分」にとらわれず、「現在の自分」と向き合う必要がある。過去の実績を振りかざしてはいけない。

要約

リーダーシップ編・規範となる「リーダーの背中」

リーダーは汗をかくこと

内村氏は共演者やスタッフに対して「こうすべきだ」「こうしたほうがいい」といった指示を出すことはない。代わりに、部下や後輩が行動する上で規範となるリーダーの背中を示し、「仕事に向き合う姿勢」「現場での大切なこと」を伝えている。

では、リーダーとして背中で語るにはどうしたらいいのだろうか。部下や後輩を行動させる規範となる「リーダーの背中」を作る上で大切なことの1つは、誰よりも一番「汗」をかくことである。

「演技の現場ならば誰よりも早く台本を頭に入れる」「テレビのロケならば56歳でもバク転に挑戦する」など内村氏は今でも自ら汗をかいている。

間違いやミスを犯さない「完璧さ」がリーダーの重要な資質だと思うかもしれない。しかし、チームを動かす上でリーダーに求められることは「完璧さ」ではなく「汗をかくこと」なのである。

「人を動かす」には「人の心を動かす」必要がある。その「人の心を動かす」ものは、「パフォーマンス自体の素晴らしさ」ではなく、素晴らしいパフォーマンスを生み出すための「努力する姿勢」なのである。

プレイヤーとして現場に執着し続ける
LanceB/gettyimages

芸能界での地位が上がっても「自分もやりたがる」「コントでは常に新しいキャラを生み出そうとする」など、内村氏は現場に立ち続ける人である。

内村氏クラスの大御所になると、新ネタ作りや体を張ったことは若手に任せて、若手をスタジオでうまく取りまとめていく指揮官的な役に回る人が多い。

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要約公開日 2021.08.16
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