それ、勝手な決めつけかもよ?

だれかの正解にしばられない「解釈」の練習
未読
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それ、勝手な決めつけかもよ?
出版社
ディスカヴァー・トゥエンティワン

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出版日
2021年05月28日
評点
総合
3.7
明瞭性
3.5
革新性
4.0
応用性
3.5
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おすすめポイント

あなたは、「体育会系だから営業職」「営業職だから企画の仕事はしてはいけない」「大人なら働いて当たり前」など、勝手な決めつけや思い込みにしばられて、身動きが取れなくなってしまっていないだろうか。また、変化が激しく先行き不透明な現代において、絶えることのない心配や不安に押しつぶされそうになっていないだろうか。そんなあなたには、「目の前にある現実をどう捉えるかは自分の解釈次第だ」ということを知ってほしい。

本書の著者、阿部広太郎氏は、中学3年生からアメリカンフットボールを計8年間続けた体育会系だ。電通入社後に人事局へ配属されるも、クリエーティブ試験を突破し、入社2年目からコピーライターとして活動している。入社前のOB訪問では「ガッツリ営業で働けそうだね」などと言われていたというが、「体育会系だから営業職」という思い込みにしばられることなく、自分らしい生き方を突き進んでいる。

本書は現在の自分を解釈し直して、自分、現在、過去、未来を解釈し、自分らしい生き方を見出す方法を提案してくれる一冊だ。あなたは、解釈を通して、どのような生き方を見つけるだろうか。もしかしたら、隠れていた感情に気づき、新たな道を見つけることになるかもしれない。コピーライターである著者が語りかけてくる言葉によって、自由に向かう勇気をもらえる一冊である。

ライター画像
木下隆志

著者

阿部広太郎(あべ こうたろう)
1986年3月7日生まれ。埼玉県出身。中学3年生からアメリカンフットボールをはじめ、高校・大学と計8年間続ける。2008年、慶應義塾大学経済学部を卒業し、電通入社。人事局に配属されるも、クリエーティブ試験を突破し、入社2年目からコピーライターとして活動を開始。「今でしょ!」が話題になった東進ハイスクールのCM「生徒への檄文」篇の制作に携わる。尾崎世界観率いるクリープハイプがフリーマガジン「R25」とコラボしてつくったテーマソング「二十九、三十」を企画。作詞家として「向井太一」「円神-エンジン-」「さくらしめじ」に詞を提供。自らの仕事を「言葉の企画」と定義し、エンタメ領域からソーシャル領域まで越境しながら取り組んでいる。パーソナリティーを務めるラジオ番組「#好きに就活 『好き』に進もう羅針盤ラジオ」はAuDee(オーディー)で配信中。2015年から、BUKATSUDO講座「企画でメシを食っていく」を主宰。オンライン生放送学習コミュニティ「Schoo」では、2020年の「ベスト先生TOP5」にランクイン。「企画する人を世の中に増やしたい」という思いのもと、学びの場づくりに情熱を注ぐ。著書に『待っていても、はじまらない。——潔く前に進め』(弘文堂)、『コピーライターじゃなくても知っておきたい 心をつかむ超言葉術』(ダイヤモンド社)。

Twitter:@KotaroA

本書の要点

  • 要点
    1
    自分自身を解釈する方法の一つとして、自分の「名前」を解釈することが挙げられる。名前の由来や字源、語源を参考にして、自分の名前に自分なりの解釈を追加していく。
  • 要点
    2
    「違和感」に名前をつけることを通して、現在を解釈する。違和感を言葉にすれば、他の人と共有したり、改善方法を検討したりすることも可能だ。
  • 要点
    3
    「あの感情」に名前をつけて過去を解釈してみると、過去の感情に対する認識を更新できる。
  • 要点
    4
    未来を解釈するための試みとして、今後1年をどんな年にしたいかを、漢字一文字で表現してみよう。

要約

【必読ポイント!】 自分を解釈する

自分の名前に自分なりの解釈を追加する
Maica/gettyimages

自分という存在は、自分にとって当たり前のものだ。自分のことでわからないことなどない、と思っている人もいるだろう。しかしそう思ってしまうからこそ、よくよく考えることもなく、「自分はこういうものだ」と決めつけてしまっていないだろうか。自分という存在をあらためて解釈すれば、今まで知らなかった自分と出会えるはずだ。

ここでは、「自分の名前」を解釈してみよう。「そういうものだから」と受け止めるのではなく、主体的に解釈する。

解釈の手段としては、由来を確かめる、「字源」と「語源」を調べてみる、などが挙げられる。字源は字の成り立ちをさかのぼるもの、語源はその意味で用いられるようになった経緯をさかのぼるものだ。

語源をたどると、意外な事実を知れることがある。「大丈夫」という言葉の語源を紹介しよう。中国では成人男子のことを丈夫、特に立派な男性を大丈夫と言った。日本に伝わったときには「立派な男子」という意味だったが、そこから派生して、「しっかりしている」「間違いない」「確かである」などの意味でも使われるようになったのだそうだ。

字源や語源を知りたいなら、書店や図書館で「字源辞典」「語源辞典」を調べてみればいい。もう少し気軽に調べたいなら、ウェブで検索することも可能だ。

名づけ親に自分の名前の由来を聞いたり、字源や語源を調べてみたりして、自分の名前に込められた思いを知り、解釈する。そうすれば、自己紹介とはまた違う、「名前紹介」ができるようになるだろう。

名前は大切だが、あくまで参考資料の一つにすぎない。受け取った名前とともに生きていくのは自分自身である。自分の名前に自分なりの解釈を追加していくことで、名前はもっと愛着の湧くものになっていく。

著者の名前は広太郎である。「広」という文字があるから、広告業界にとどまらない広い視野を持っていたい。「太」という一文字があるから、安定感を意識しながら、「ここぞ」というときには大きな勝負ができる太い生き方をしたい。そう解釈している。

好きな人物像、嫌いな人物像に名前をつける

「好き」「嫌い」という感情には、言語化しにくい、感覚的な部分も多いものだ。一方、「好きな人」と「嫌いな人」であれば、比較的イメージしやすいのではないだろうか。「好きだなあ」としみじみ思う人もいれば、「二度と会うもんか、嫌いだ!」と思う人もいる。

自分を解釈するための試みの一つとして、「好きな人」と「嫌いな人」の人物像に名前をつけて、自分の「好き」と「嫌い」を自覚してみよう。好きな人、嫌いな人の具体名を思い浮かべるのではなく、「好きな人」と「嫌いな人」を思い出して、その人物像を言語化していく。自分の感じたことを書き出した上で、有名な物語の中に似たような状況を探したり、何かにたとえたりしながら、「名前をつける」という行為を通じて、自分の感情を俯瞰して見てみる。

著者が開催したワークショップでは、参加者の「好きな人」として「映画版ジャイアン」「実家の毛布みたいな人」などといった表現が挙がった。

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要約公開日 2021.07.27
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