精神科医が見つけた3つの幸福

最新科学から最高の人生をつくる方法
未読
精神科医が見つけた3つの幸福
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精神科医が見つけた3つの幸福
出版社
出版日
2021年03月22日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.5
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おすすめポイント

「幸せとは何か?」この根源的な問いに、古代から多くの哲学者や思想家が挑戦してきた。コロナ禍や働き方改革などの影響もあり、生き方や「幸せ」について、あらためて考える機会が増えているように思う。

精神科医である著者の樺沢氏は、「幸せ」の正体を探るにあたり、幸福を感じているときの脳の状態に注目した。幸福を感じているとき、私達は特定の脳内物質を分泌している。樺沢氏によると、特にセロトニン、オキシトシン、ドーパミンの3つの脳内物質が、幸福に関わっているという。

脳が幸福を感じる条件さえわかれば、そのためにするべき行動もわかる。本書は、科学的に「幸せ」とはどういう状態なのかを解き明かしながら、幸福になるための具体的かつ実践的な行動を数多く紹介している。どれも説得力があり、すぐにでも実践できそうなものばかりだ。

幸せであることは、自分一人の問題に留まらない。幸せな人間が社会に増えることは、間違いなく社会をいい方向に導く。先行きの見えない不安定な社会だからこそ、「幸福の輪」を広げていくために何ができるのかを考えていく必要がある。

本書は観念的な幸福論を述べたものではない。あくまで「実用のための幸福」を目指すものだ。だから手にとったら、ぜひ本書に書かれていることを実践していってみてほしい。なによりも試すことにその価値があるのだから。

ライター画像
千葉佳奈美

著者

樺沢紫苑(かばさわ しおん)
精神科医、作家。1965年、札幌生まれ。1991年、札幌医科大学医学部卒。2004年からシカゴのイリノイ大学に3年間留学。帰国後、樺沢心理学研究所を設立。「情報発信を通してメンタル疾患、自殺を予防する」をビジョンとし、累計フォロワー50万人以上に精神医学や心理学、脳科学の知識・情報をわかりやすく伝える、「日本一アウトプットする精神科医」として活動している。
シリーズ累計70万部の大ベストセラーとなった『学びを結果に変えるアウトプット大全』『学び効率が最大化するインプット大全』『メンタルブレイン強化大全』(サンクチュアリ出版)、18万部の『精神科医が教えるストレスフリー超大全』(ダイヤモンド社)ほか、30冊以上の著書がある。
YouTube「精神科医・樺沢紫苑の樺チャンネル」
https://www.youtube.com/webshinmaster
「精神科医・樺沢紫苑 公式メルマガ」
http://kabasawa.biz/b/maga.html
樺沢紫苑オフィシャルファンクラブ「しおんファミリー」
https://kabasawa-fan.com/

本書の要点

  • 要点
    1
    幸福とは、脳内でセロトニン、オキシトシン、ドーパミンの3つの「幸福物質」が分泌されている状態を指す。セロトニンは「健康」、オキシトシンは「つながり」、ドーパミンは「成功」に関する脳内物質と言える。
  • 要点
    2
    幸福には優先順位がある。セロトニン的幸福がすべての基礎となり、その上にオキシトシン的幸福がある。ドーパミン的幸福は、もっとも優先度が低い。
  • 要点
    3
    幸福は「結果」ではなく、「状態」である。まずは自分がいま手にしている幸福に気づき、それを維持するように努力するべきだ。

要約

【必読ポイント!】 「幸せ」とは何か?

幸福とは、脳内物質の分泌された状態だ

「幸福になる方法」を見出すには、まず「幸福とは何か」を考え、定義しなければならない。幸福の定義にはさまざまなアプローチが考えられるが、ここでは精神医学、脳科学に基づき、「実用のための幸福」を考えていく。

私たちが幸せを感じるとき、脳内では100種類以上の幸福物質が分泌されている。その中でも、日常的な幸福感を構成する物質として、「ドーパミン」「セロトニン」「オキシトシン」の3つに注目したい。これらは3大幸福物質と呼ばれる。

ドーパミンは胸がドキドキするような高揚を、セロトニンは穏やかな気持ちを、オキシトシンは愛に包まれた幸福感をもたらす。脳内でこれらの幸福物質が出た状態が「幸せ」であり、幸福物質を出す条件が「幸せになる方法」とするならば、ドーパミン、セロトニン、オキシトシンの分泌される条件や行動を突き止めるのが重要ということになる。

幸福には優先順位がある
fotografixx/gettyimages

私たちが感じる幸福は、心身の健康に関する「セロトニン的幸福」、つながりと愛情に関する「オキシトシン的幸福」、成功や達成による「ドーパミン的幸福」に大別できる。

しかしこれら3つの幸福を、すべて手にしている人は少ない。なぜならそこには「セロトニン的幸福>オキシトシン的幸福>ドーパミン的幸福」という、明確な優先順位があるからだ。そこを取り違えると幸福になるどころか、不幸になりかねない。

たとえば、身体を壊してまで仕事を頑張ろうとする人がいる。これはセロトニン的幸福をないがしろにして、ドーパミン的幸福を追求している状態だ。これではメンタル疾患や身体疾患を引き起こし、不幸になってしまう。

また、家族との時間をないがしろにし続ける仕事人間も、オキシトシン的幸福よりドーパミン的幸福を優先させている。どれだけ仕事で成功しても、家族から毛嫌いされては幸福とは言えないだろう。

さらに、人とのつながりも健康であってこそだ。セロトニン的幸福を失うと、連鎖的に他の幸福も失われてしまう。

このように、幸せは「セロトニン的幸福>オキシトシン的幸福>ドーパミン的幸福」の3段階で積み上げられるものである。セロトニン的幸福とオキシトシン的幸福は、幸福の基礎となる部分だ。基礎がしっかりしていなければ、頑丈な建物は立てられない。

すべての基礎となるセロトニン的幸福

うつ病は究極的なセロトニン低下状態

ここからは3つの幸福が具体的にどんな状態で、どんな気分なのかを詳細に説明していく。

セロトニン的幸福は、

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要約公開日 2021.08.06
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