ミーニング・ノートは、毎日3つずつチャンスを書き、それを見返すものだ。心が動いた出来事をチャンスとみなして、そのチャンスにどんな価値や可能性があるのかを考えてノートに書く。ミーニング・ノートを書き始めてから、著者の人生は変わっていった。
ミーニング・ノートの根底にあるのが、自分に起きた出来事に対してどう思ったかという「意味づけ」だ。意味づけ次第で行動が変わり、結果が変わり、さらには人生が変わる。
たとえば、後輩A君に仕事を教えることになったとしよう。彼は、何度教えても間違えてしまう、ダメな後輩だ。こんな後輩に時間を取られたくないと思うか、教えるスキルを高めるチャンスだと思うか、意味づけが違えば行動も変わる。
意味づけ力は、訓練次第で上達する。ミーニング・ノートは、意味づけ力のトレーニングとして最適だ。
チャンスを毎日3つずつ見つけようと言われても、「何がチャンスかわからない」という人もいるだろう。チャンスがどういうものなのかがわかっていなければ、見逃してしまうものだ。そこで著者は、5万個を超えるチャンスを分析して、キラキラ・チャンス、わらしべ・チャンス、そしてスパイシー・チャンスの3種類があることを発見した。
キラキラ・チャンスは、心が大きくポジティブに動く、特別な出来事である。注目されているプロジェクトのリーダーに抜擢された、雑誌の取材を申し込まれたなど、ポジティブで大きな衝撃のあるものだ。チャンスと聞くと、多くの人がキラキラ・チャンスを思い浮かべるだろう。
わらしべ・チャンスは、毎日無数にある、少し心がポジティブに動くような、ささいな出来事を指す。大学時代の同級生と久しぶりに会う約束をした、カレーがおいしくできたといったことが該当する。誰にでも起きうることなので、チャンスと思わずに見逃してしまっている人も多いだろう。「なんかいいな」「ちょっと気になる」という、日常に溢れている小さな心の動きに注目してみよう。
スパイシー・チャンスは、みんなの前で昔の失敗をバカにされた、10キロも太ってしまったなど、ネガティブな感情に苛まれる出来事だ。だが、大成した人には苦労話がつきものである。スパイシー・チャンスこそ、意味づけ次第で大逆転のチャンスとなる。
ここでは、ミーニング・ノートの作り方を紹介する。ノートを用意したら、2種類のページを作ってほしい。毎日のチャンスを書くウィークリーページと、毎月のチャンスを書くマンスリーページだ。
ウィークリーページは、毎週作る。見開き左ページを戦略ページ、右ページをチャンスページとしよう。チャンスページはその名の通り、チャンスを書くページだ。チャンスどうしのつながりを見つけやすくするために1週間分を1ページ内におさめるようにする。7日分の日付を書いて、1日単位の区切りがわかるように線を引いておこう。右側5分の1のところには縦線を引き、「願い欄」として、願い事が浮かんだときに書き込む。
マンスリーページは、1回作ったら1年間使える。見開き右ページはチャンスページで、1カ月ごとのチャンスを書く。1月から12月までの月を書いて、各月の区切りがわかるように線を引いておこう。左ページはまとめページで、1年分のチャンスを見直すためのページとして使う。
ミーニング・ノートは、5つのステップで書き、見返していく。ここでは、ステップごとにその進め方を紹介する。
ステップ1は、「チャンス(出来事)を探して書く」だ。一日の終わりにノートを開いて、3つのチャンスを選んで書いていく。
チャンスは、自分の心が動いたものを選ぶ。「あ!」と発見したこと、「いいね!」とワクワクしたこと、「うん、うん!」と共感したこと、「えー……」と心が痛んだこと、「お!」と思うような新しい出会いや学び、「ん?」と気になったこと……そうしたものがなかったか、考えてみる。
絶対に守ってほしいのは、3つに絞ることだ。
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