不安な時代をどう生きるか

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不安な時代をどう生きるか
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不安な時代をどう生きるか
著者
出版社
出版日
2021年08月01日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

今ほど「不安な時代」と呼ぶのにふさわしい時代はないだろう。小さなウイルスは、ごく短期間で世界中の人々の生活を一変させてしまった。職や家を失った人は数知れず、収入が減って家賃やローンを払えなくなったり、これまでの生活スタイルを続けられなくなったりした人も多いだろう。

大きな影響を受けていない人でも、漠然とした不安を抱えて日々過ごしているのではないだろうか。ニュースでは感染者数が日報のように流れ、この状態がすでに「日常」と感じるほど私たちの感覚は麻痺してしまっている。

不安とは霧のようなものだと著者は言う。掴みどころがなく、どこからともなく現れて、なかなか消えてくれない。特に夜ひとりで過ごしているときや、することがなく時間を潰しているとき。ふと浮かんだネガティブな想像が脳内を侵食し、気がつけば「不安沼」にハマっていることはよくあることだろう。

本書は『ユダヤ人大富豪の教え』『一瞬で人生を変えるお金の秘密 happy money』などのベストセラーを連発する人気作家・本田健氏が、人生におけるさまざまな不安の本質を読み解き、そうした不安との付き合い方を探っていく一冊だ。

不安は人類に備わっているリスク回避の本能であり、決してなくなることはない。しかし過度な不安を抱えていると、心も体も凍ってしまう危険性がある。一生を共にする不安とうまく付き合っていくにあたり、本書は心強い伴走者となってくれるだろう。読了する頃には気持ちが少し軽くなり、前向きな心持ちになっているはずだ。

ライター画像
矢羽野晶子

著者

本田健(ほんだ けん)
作家。神戸生まれ。経営コンサルタント、投資家を経て、29歳で育児セミリタイヤ生活に入る。4年の育児生活の後、執筆活動をスタート。YouTube番組「本田健の人生相談」は4700万ダウンロードを記録。
代表作に『ユダヤ人大富豪の教え』『20代にしておきたい17のこと』など、著書は200冊以上、累計発行部数は800万部を突破している。
2019年には英語での書き下ろしの著作『happy money』を刊行。イギリス、ドイツ、イタリア、スペイン、オランダ 、ロシアなど、同作は世界40ヵ国以上で発売されている。
大好きなことをやっていきたい仲間が集まる「本田健オンラインサロン」も好評。

本書の要点

  • 要点
    1
    人間関係を良くしたいなら、人に助けてもらおう。人は誰かをサポートすることで喜びを感じるからだ。
  • 要点
    2
    「一生お金に困らない人生」とは、自分のお金が尽きても助けてくれる友人・知人を持つことである。
  • 要点
    3
    人の幸せは、成功レベルや資産規模、容姿よりも、その人が「生きたいように自由に生きているか」によって決まる。

要約

不安と向き合う

不安を感じるのは、見通しが立っていないから

世界が大きく変わる中、不安を抱えている人も多いだろう。不安になるのは、未来の見通しが立っていないからだ。これからも想定外のことが起きそうだから不安になるのである。人はさまざまな不安を抱えるものだ。最近地震が多い気がする、会社が潰れてしまうかもしれない、今の貯金だけで老後の生活が成り立つだろうか、今まで友だちだと思っていた人が自分の悪口を言っているようだ、安定したパートナーと出会えそうにない……。しかし、先のことは誰にもわからないのだから、不安を感じるのは当然のことである。

自分の不安と向き合う
yamasan/gettyimages
コロナ感染が広がっている今、不安でたまらない人がいる一方で、「自分は大丈夫だろう」と根拠なく思っている人もいる。こうした感覚の違いが、多くの人の精神状態をますます不安定にする。自粛警察やマスク警察と呼ばれる人たちは、マスクやステイホームをすることが「常識」と考え、それに従わない人たちに対して怒っている。彼らは自分の不安や恐れと向き合わず、ただストレスを吐き出して、相手を責めているのである。自分の中の不安を認識できない人は、気づかないうちに、不安を回避する行動をとっている。まずは不安と向き合う習慣をつけよう。そうでないと、知らない間に人生の可能性が制限されたり、心の平安を蝕まれてしまったりする。

不安は「自分を守るためのボディガード」

普段の生活では、どういうときに不安を感じるだろうか。家にひとりでいるときや何もすることがないとき、夜寝る前に不安を感じる人も多いだろう。不安は無防備な後ろからやってきたり、内面から湧いてきたりする。そして、なかなか消えてくれないものだ。

不安には、「今いる場所にとどめておく力」がある。不安を感じると体が動かなくなり、頭の働きも止まってしまう。それらは本能によるもので、不安のおかげで不必要なリスクを取らずに済むようになっている。いわば不安は「自分を守るためのボディガード」なのだ。

ボディガードが不必要なときは「大丈夫、今日は帰っていいよ」「今晩は一緒に来なくていいよ」と言えばいい。不安とおしゃべりできるようになると、不安を感じることも減っていくはずだ。

もちろん、それでも不安が顔を出すこともあるが、ボディガードが来てくれたと思うと冷静になれるだろう。いてもらうのも離れてもらうのも、自分で選択すればいい。

人間関係の不安

人間関係を見直す

人生は、どういう人間関係を持って、何を体験するかで決まる。最高の人生を生きるために、愛にあふれる人間関係を築きたいものだ。

愛にあふれる人間関係を築くための最初のステップは、「不必要な関係」を手放すことだ。多くの人は人間関係を大切にするあまり、新しい世界へ行くことを躊躇する。しかし、本気で自分の人生を生きるなら、不必要な関係は手放してしまおう。

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要約公開日 2021.09.01
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