昼スナックの来店客の1人目は、高山加奈子さん(44歳)。大手金融会社に総合職として入社し、14年ほど勤務したのち、会社での仕事に楽しみを見いだせず、36歳で独立した。
事務サポートや中小企業の業務プランニングの仕事を掛け持ちしているうちに、8年が過ぎて44歳になった。幅広く仕事をしているものの、自信の持てるスキルは見つかっておらず、「私は何屋さん?」と悩んでいる。
「独立して8年間食うに事欠かなかったんだから、自分で気づいていない『売り』があったはず」――紫乃ママはそう言う。話を聞いていると、加奈子さんは、仕事の効率化や、他人の得意分野の見極めが得意なようだ。以上から考えると、「プランナー」という肩書きが適切ではないだろうか。
そうアドバイスするママに、加奈子さんは「世の中には立派なプランナーがたくさんいる」「私が名乗るのはおこがましい」と言い返した。しかし、人生は短い。自信が100%になるのを待っていたら、現世が終わってしまう。
自分で肩書を選び、それに見合う努力をすればいい。まずは勇気を持って、選んだ肩書を名乗ろう。
独立前は「〇〇会社の××部課長」など、会社が決めてくれた肩書があるが、独立後はまっさらだ。ならば、自分で自分にタグを付ければいい。
タグを付けるときに大切なのは、タグを1つに絞り込まないことだ。どんな人にもいろいろな面があるのだから、それをアピールポイントにして、複数のタグを付ければいい。一つひとつのタグは平凡でも、3つあればユニークなものになる。
3つのタグは、一番稼いでいる仕事のタグ、「これからお金にしていきたい」と思って取り組んでいることのタグ、本業とはちょっと離れた趣味や好きなことのタグ、といった内訳にするといいだろう。紫乃ママの場合、研修講師、ミドルシニア向けのキャリアコーチング、そして昼スナックのママという3つがある。
自分の肩書やプロフィールは、みんなに自慢できるものでなくてもいい。準備していることがあるなら、「〇〇準備中」「〇〇企画中」などと書く。
3,400冊以上の要約が楽しめる