ジーニアスファインダー 自分だけの才能の見つけ方

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出版社
SBクリエイティブ

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出版日
2021年04月24日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
3.5
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おすすめポイント

「自分さがし」と聞くと、若者がすることのように感じられてしまう。しかし、自分はどういう人間で、どんなことに向いていて、何をして生きていきたいのかという問いに、あなたはすぐに答えられるだろうか。

コロナ・ショックによって人類は急速に距離を克服した。いまやリモートワークはビジネスの常識となり、仕事において「距離」は問題ではなくなった。著者は「職場を選ぶ」時代は終わり、「仕事を創る」時代が到来していると主張する。では今、あなたは何のために、何をして生きていきたいだろうか? この問いは若者だけでなく、働くすべての人が考えなければならない問いなのである。

著者は、自分の「天才性」に忠実に生きる環境を整えるべきだと述べている。天才性とは、個人が生まれながらに持っている、他者とは異なる特性のことだ。個性や才能とは似て非なるものである。これからの時代を生き抜くには、自分の天才性を知り、それに基づいた人生設計を行うべきなのだ。

本書では自分の天才性を知るための方法が丁寧に解説されている。それは、自分はどういう人間なのかを嘘偽りなく見つめ直す作業である。トラウマと向き合い、しまいこんでいた恥を取り出し、言語化していく作業で、簡単にできることではない。しかし、自分と真剣に向き合うことでしか天才性は見出だせない。それはこれからを生きるのに避けては通れない道なのだ。

新しい時代を生きるすべてのビジネスパーソンにとって役立つ一冊である。

ライター画像
千葉佳奈美

著者

山口揚平(やまぐち・ようへい)
事業家・思想家。早稲田大学政治経済学部卒・東京大学大学院修士(社会情報学修士)。専門は貨幣論、情報化社会論。1990年代より大手外資系コンサルティング会社でM&Aに従事し、カネボウやダイエーなどの企業再生に携わったあと、30歳で独立・起業。劇団経営、海外ビジネス研修プログラム事業をはじめとする複数の事業、会社を運営するかたわら、執筆・講演活動を行なっている。NHK「ニッポンのジレンマ」をはじめ、メディア出演多数。著書に、『知ってそうで知らなかったほんとうの株のしくみ』(PHP文庫)、『デューデリジェンスのプロが教える 企業分析力養成講座』(日本実業出版社)、『そろそろ会社辞めようかなと思っている人に、一人でも食べていける知識をシェアしようじゃないか』(KADOKAWA)、『なぜゴッホは貧乏で、ピカソは金持ちだったのか?』(ダイヤモンド社)、『10年後世界が壊れても、君が生き残るために今身につけるべきこと』(SBクリエイティブ)、『新しい時代のお金の教科書』(ちくまプリマー新書)などがある。

本書の要点

  • 要点
    1
    天才性とは、個人が生まれながらに授かっている、他者と全く異なる特性である。個性や才能とは異なる。「オペレーション(操業)」から「クリエーション(創造)」の時代へとシフトした今、自分の天才性に忠実に生きることが必須となる。
  • 要点
    2
    天才性を探すには3つのステップが必要となる。人生を見つめ直して「棚卸し」すること、そこから天才性を抽出すること、そして天才性に基づいた生き方を再構築することだ。
  • 要点
    3
    これからの時代を生き抜くのに大切なのは、「何のために?」という問いだ。生きる意味は自分自身の中に見出すしかない。

要約

【必読ポイント!】 なぜ今「天才性」が必要なのか?

天才は、天才性を知り、それに忠実に生きている人

天才とは、自らの天才性を知り、その天才性に忠実に生きている人である。天才性とは、個人が生まれながらに授かっている、他者と全く異なる特性のことで、個性や才能とは異なる。天才性は個人に特有のもので、1つとして同じものはない。

社会は今、変化のうねりのただ中にある。時代のパラダイムは平成の「オペレーション(操業)」、そして令和の「クリエーション(創造)」へとシフトした。この変革を乗り切るためには準備が必要だ。

平成から令和のパラダイムシフトにより、「空間」から「時間」への軸の変化が起こった。インターネットによる距離を問わないコミュニケーションが、コロナ・ショックにより一般的になった。もはや距離を伴う「空間」は問題ではない。その結果、退屈なオペレーションを「仕事だから」と割り切って続けるよりも、自分がストレスなくリラックスして楽しめる仕事や拠点を選ぶ人が増えるだろう。自分の人生の時間を、自分の天才性に基づいたライフワークに捧げたいと考える人が増えるはずだ。これからは職場を探すのではなく、仕事を創る姿勢が必要となる。

人生の棚卸しをして自分を見つめ直す

自分を閉じ込めている「とげ」を抜く
hatchakorn Srisook/gettyimages

私たちが自分の天才性を発揮できない要因の1つに、「自分を閉じ込めているもの」の存在がある。「これはできない」「これは合っていない」といった、自分への偏見だ。この偏見を見つけて取り除くことを著者は「とげぬき」と呼ぶ。「とげぬき」は、自分の人生を振り返り、自分の偏見と向き合うことによって行う。

人生を振り返ることで、自分が本当に好きなこと、自分を突き動かすモチベーションの中心にあるもの、遺伝的なレベルで得意・不得意なこと、自分の偏見とそれが生まれたきっかけ、普段蓋をしているトラウマなどが明らかになってくる。こうした自分の構成要素がわかると、自分を俯瞰することができ、楽になる。後から身についた固定観念や思考の癖は、生まれながらに持っていたものではなく、「自分のもの」ではない。「自分のもの」ではないものが刺さったままでは自分の天才性はよく見えない。だから、「とげぬき」は重要なのだ。

トラウマをすべて吐き出す

まずは自分の身に起きた出来事をできるだけ多く書き出す。特に重要なのは5歳から15歳くらいまでの期間である。この頃に受けた刺激はその後の状況判断や行動に影響を与えていく。はまっていた趣味やトラウマになっているような出来事、恥ずかしい話などなんでもいい。それに対する自分の行動、感じたこと、結果も書き出す。とにかくすべて吐き出すことが重要なので、一度で終わらせずに何度も繰り返し取り組むことになるはずだ。これを丁寧に見ていくと、徐々に自分を構成するコアがわかってくる。

次に、とげぬきを行う。

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要約公開日 2021.09.23
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