心理学に「自己肯定感」という言葉がある。この言葉は、「自分という存在を、さまざまな意味で肯定的に受け入れることができる感覚」という意味だ。具体的には、自分の能力を使って周りの人や世の中のために役立つことができる、ありのままの自分自身に満足している、自分は少しずつ成長している、チャレンジすることに生きがいを感じられる、などといった感覚である。
自分自身の存在や人生を肯定的に受け入れることは、人間が幸せに生きていくために欠かせない。どのように自己肯定感を高めていくかを考えることが、幸せな人生の第一歩となる。
自分自身に対して否定的な言葉を使うと、自己肯定感が下がっていき、悲観的になってしまう。人の脳は暗示にかかりやすいからだ。自己肯定感が下がると、幸せな人生を築いていこうという意欲が失われる。
そうならないために、自分を否定するような言葉は使わず、ポジティブな言葉をかけ続けよう。「私は、すごい能力を持っている」「私は、大きなことを成し遂げられる」「私には、みんなを幸せにする力がある」……根拠など必要ない。次第に自分が言葉通りの人間だと思えるようになってくるはずだ。
「私には能力がある」と思い込めば、自己肯定感がアップし、何事にも積極的に取り組めるようになる。成長意欲が高まり、勉強するようになれば、実際に能力が高まっていく。自分に暗示をかけることで、好循環が生まれるのだ。
人の体内には、「気(き)」という生命エネルギーのようなものが存在する。「気」が高まると、自分にはどんなことでもできると思えるようになり、自信や勇気が生まれ、自分の力で人生を切り開いていける。
気を高めるのは簡単で、「元気よく歩く」だけでもよい。うなだれながら歩いていると気持ちが沈んでしまう。顔を上げて、元気よく歩くように心がけよう。早起きをして、朝日を浴びながら散歩をするのも効果的だ。
明るい笑顔を心がけるだけで、「気」の力が高まり、自己肯定感も上がる。実際、アメリカの哲学者であるウィリアム・ジェームズは「人間は楽しいから笑うのではない。笑うから楽しいのだ」と述べた。人の表情が精神面に影響を与えていることがわかる言葉である。
たとえ楽しい気分でなくても、明るく笑ってみよう。自然と楽しい気持ちになり、自信がよみがえってくるだろう。特に自己肯定感が低下しているときには、できるだけ明るい笑顔を心がけるようにしたい。
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