「正しい足で出発するために、可能なことは、すべて行え」
商売は世界を真に動かしているものであり、さまざまな技芸のなかで最も高貴なものである。このように考えていたコトルリがビジネスや人生で重要だと考えていた15の黄金則の一部を紹介していこう。
まず取引や商売を始めようと望む者は、適切な場所を選ばなければならない。とりわけ法律が確固としており、行政機関が迅速で実行力に富む場所で始めるべきだ。また「大きな湖では大きな魚をつかみうる」という格言もある。商売に従事している者が多く利益を得ているような場所に住みたいものだ。
そのうえで大事なのは、自分の得意なものを見極め、経験で体得することだ。商取引を探すにあたっては、用意周到でいると同時に新しい取引を検討して試みる必要がある。有能であるからこそ新しい事柄を見いだせるのだ。
「自分自身だけを信頼せよ。常に大胆かつ賢明であるように努めよ。先を見通すことを学べ。そして運命に忠実であれ」
ローマの詩人ウェルギリウスは「運命は大胆な者を助け、臆病なものを退ける」と詠う。自分自身への信頼とは、まさにこの大胆さのことであり、実行力のことだ。臆病な商人が裕福になるはずはない。
一方で、商人に最もふさわしく、必要な美徳は「思慮深さ」である。何かが起こったときにやるべきことを明確にし、それに備えておくことが大切だ。そのためには、商人には先見の明がなければならない。どこに欺瞞と虚偽が隠れているかを吟味して、見せかけの善さと有益さに騙されないようにすべきだ。
「あなたの技芸に専心せよ。すべてを為そうと欲すべからず。他の者たちにも儲けさせよ」
古代ローマの哲学者セネカはこう述べる。「多くのものを味見しようとするのは、まさに胃の悪徳である」。重要なのは、知性と取引をただ1つの活動に集中させることだ。すべてを欲する者はすべてを失ってしまうからだ。
各々の商人を喜ばせ、利益をあげさせるとよい。一般的に、焦って富を得ようとするのはきわめて危険である。もしあなたが富裕になりたいのならば、長く生き続けて、一度に少しだけ儲けるのがよい。
「常に質を追求せよ。名前とブランドがすべてである。欠陥品や模造品を売るなかれ」
商人は自らの技芸において評判を保持すべきである。
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