今後の人生を大きく左右する時期が30代である。ではどうすれば大きな仕事のチャンスを掴み、自分らしく活躍できる人になれるのだろうか。著者は、30代で「これだけ」やれば困らない5つのポイントを次のように解説している。
(1)キャリア:自分の向いている環境に行く
結果が求められる30代では、自分が向いている環境に身を置き、ラクに成果を上げて、評価されることが大切だ。
(2)仕事の成果:結果を出すことに集中する
30代では今までにやったことがないことでも成果を出すことが求められる。仕事のコツを掴んで、成果をより多く出すことに集中することが肝心だ。
(3)対人関係:苦手な人を割り切り、得意な人を増やす
30代では相性の良い人だけでなく、利害が対立する人、苦手な人も動かしていく必要がある。そこで、30代では苦手な人は割り切り、先に得意な人のパターンと数を増やすことで、結果克服することが重要だ。
(4)働き方:根回しのコツを掴み、組織を活用する
大きな成果を出すためには、根回しによって組織を活用し、動かすことが不可欠である。そこで根回しのコツが有効となる。
(5)人脈:相談される人、声がかかる人になる
相談されて、信頼を築き上げていくことで、欲しい情報を入手できるようになる。また、一緒に成長していける仲間を見つけ、つながることも必要となる。相談される人、声がかかる人をめざすようにしたい。
要約ではキャリア、仕事の成果、働き方に関連して、1章、2章、4章、6章のポイントを一部取り上げる。具体的には、自分の向いている環境で強みを活かす方法、最短で成果を上げる方法、そして組織を動かす根回しのコツを紹介する。
「せっかく働くならば好きなことをやりたい」「好きな仕事が分からない」と悩んでいる方も多いだろう。実は、「好きなこと」「やりたいこと」を追い続けるのは危険である。なぜなら、もっといい仕事が見つかると思い、転職を繰り返しているうちに、キャリアの賞味期限が来てしまう可能性があるからだ。
では、これを避けるためにはどうすればいいのだろうか。それは選択する順番を変えてみることだ。「得意なこと」や「向いていること」の中から「好きな仕事」や「やってみたいこと」を見つけるのである。自分が得意で向いていることを活用できる環境を選べば、好きな仕事で大きな成果を残せるようになる。
同じ業界内や社内だけでキャリアアップを目指していくと、上に行くほど道のりは険しくなる。なぜなら役職の椅子にはすでに誰かが座っているからだ。
そのため、キャリアを同業界内や社内の延長線上といった「線」ではなく、他業界・他業種・他役職を含めた「面積」で考えることが求められる。キャリアアップをめざすのではなく、キャリアを「横」へスライドさせていくイメージである。そうすれば、自分の提供価値が広がり、活躍できる場所が増えていく。
その良い例が、お笑い「キングコング」の西野亮廣氏だ。お笑いの世界で得た知見を絵本作家や映画監督の道でも活かすことにより活動を広げ、独自のポジションを築いている。
どうすれば、キャリアを横展開して、キャリアの面積を広げていけるのだろうか。
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