PLG プロダクト・レッド・グロース

「セールスがプロダクトを売る時代」から「プロダクトでプロダクトを売る時代」へ
未読
PLG プロダクト・レッド・グロース
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「セールスがプロダクトを売る時代」から「プロダクトでプロダクトを売る時代」へ
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PLG プロダクト・レッド・グロース
出版社
ディスカヴァー・トゥエンティワン

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出版日
2021年10月22日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
3.5
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おすすめポイント

ZoomやSlackに代表されるスタートアップが近年急成長を遂げている。これらの企業は揃って本書のテーマであるPLG(プロダクト・レッド・グロース)の戦略を採用している。

PLGは「プロダクトでプロダクトを売る」ビジネス戦略だ。プロダクトの一部機能を無料版で開放し、多くのユーザーを獲得する。さらに価値を体感したユーザーは自発的に有料版へと移行する。

要約者自身も現在進行形でPLGの威力を体感している。本書にも登場するイラストツール「Canva」を使用しており、無料版でも相当にいろいろなことができる。ただ、使い込んでいるうちに有料版にアップグレードしたくなってくる。無料版で使えない質の高い写真やデザイン、プレミアムテンプレート、その他さまざまな機能を使用できるようになるからだ。

Canvaは無料版でも十分すぎるほどに価値ある機能が搭載されている。それゆえ多くのユーザーを獲得し、有料版にアップグレードする人も相当数いる。2013年に設立されたスタートアップだが、今や190を超える国で使われ、評価額は400億ドル(約4・4兆円)に到達しているそうだ。とてつもない成長速度である。

本書は急成長を遂げているスタートアップの根幹にあるPLG戦略を実際に活かすため、豊富な事例とともに紹介している実践的な一冊だ。

著者

ウェス・ブッシュ Wes Bush
プロダクト・レッド・インスティチュートの創業者・学長。日々、教壇に立ち、どのようにすれば旧来の営業手法から離れ、プロダクト・レッド・グロース・メソッドを使ってSaaSビジネスの成長エンジンに火をつけることができるかを教えている。
ウォータールー大学グローバルビジネスおよびデジタルアーツ学部卒業。ビジネスコンサルタントとしても多くの信頼を得ており、並外れた優れたプロダクトから得られる価値は、きらびやかなマーケティングや売り込みと引き換えにできるものではないことを理解している。
ProductLed.com

本書の要点

  • 要点
    1
    PLGとはユーザー獲得、アクティベーション、リテンションをプロダクトそのものが担う手法のことである。
  • 要点
    2
    PLGは全てのプロダクトに適した戦略ではない。フリートライアル、フリーミアム、デモなどのプロダクトの性質に合ったモデルを選ぶ必要がある。
  • 要点
    3
    プロダクト主導型ビジネスでは「プロダクトを購入する人々は、どんな対価を期待しているのだろう」と自らに常に問いかけることが大切だ。
  • 要点
    4
    ストレートラインを構築しユーザーが素早く価値を体験するよう誘導すれば、より多くの有料ユーザーを獲得できる効果が期待できる。

要約

【必読ポイント!】 戦略をデザインしよう

PLGとは

本書のテーマであるPLG(プロダクト・レッド・グロース)とは米ベンチャーキャピタルのOpenViewが名付けたGTM(ゴー・トゥ・マーケット)戦略の1つで、ユーザー獲得、アクティベーション、リテンション(顧客維持)をプロダクトそのものが担う手法だ。

たとえばSlackやDropboxを利用した人はこのPLGを既に体験している。SlackやDropboxを使う際に営業資料に目を通すのではなく、まずは実際にプロダクトを試したはずだ。

強いブランド力と社会的信用のみによって消費者の信頼を得るのは困難な時代だ。購入前にプロダクト試用の権限を与える必要がある。PLGはそれを実践可能なビジネス戦略に落とし込んだ手法と言える。

プロダクト主導型が選ばれる理由
Melpomenem/gettyimages

Grammarly、Slack、Dropboxなど数多くのSaaS企業がセールス主導型のGTM戦略からプロダクト主導型のGTM戦略に切り替え始めている。

GTM戦略は、その企業が競合相手より優位に立つために、どのようにターゲット顧客にアプローチするか、具体的に示したアクション・プランのことだ。プロダクト主導型のGTM戦略を採用すると、優位な成長エンジンと格段に低いCAC(顧客獲得コスト)という競争優位を確立できる。

競合他社で見込み顧客がデモ申し込みフォームに必要事項を記入しているうちに、プロダクト主導型ビジネスでは見込み顧客が自らオンボーディングに移り、プロダクトを検証し始める。見込み顧客がプロダクトの価値を感じたら有料プランへアップグレードする。セールスサイクルを短縮することができるのだ。

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要約公開日 2022.01.28
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