あなたの脳は、最適な環境のもとでは超高速に動く。その一方で、頭の中に不要な考えやダメな思考パターンが詰まっていると、最高のパフォーマンスが出せなくなってしまう。
コンピューターが重くなったら、不要なファイルや履歴を削除するだろう。同様に、脳のパフォーマンスが落ちているなら、頭の中に溜まった不要な情報を取り除き、エフォートレスな精神を取り戻す必要がある。
エフォートレスな精神は、心身の負荷がなく、頭がすっきりした状態だ。余計な考えにとらわれることなく今この瞬間に集中でき、やるべきことを余裕でこなせるようになる。
重要な仕事は困難で、簡単な仕事は取るに足らないものだ――これは思い込みである。ほとんどの人が、苦労の価値を疑おうとしたことさえないかもしれない。しかし、何かが困難だと感じるのは、単にもっと簡単なやり方を見つけられていないからではないか?
人間の脳は本来、楽なほうを選ぶようにできている。わざわざ遠くのスーパーへ行くのではなく、目の前のコンビニで割高な商品を買う。食器をすぐに洗うのが面倒で、シンクに山積みにしてしまう――。こうした行動は、ヒトという種の保存を可能にしてきた。「どうすればもっと困難に食べ物を手に入れられるか?」と考えていたら、飢えで死んでしまうだろう。
だからもう、本能にあらがうのはやめよう。 「困難な仕事をなんとしてでもやり遂げてみせるぞ」と意気込むのではなく、「どうやったらこの仕事がもっと楽になるか?」と考えてみるのだ。そうすれば、面倒な問題が驚くほどシンプルに片づくはずだ。
逆境に打ち勝って偉大な成果を上げた人々の物語は、私たちを感動させる。その一方で、簡単に成功した人々もいることを忘れてはならない。まずは「楽をするのは悪いことだ」という思い込みを捨てることから始めよう。
誰しも、やらなくてはならないのに、やる気が出なくて先延ばしにしてしまうことがあるだろう。その一方で、やる必要はないのに、楽しくてついやってしまうことがあるはずだ。ならば、嫌なことを楽しいことに結びつけて、エフォートレスに実行できるようにしよう。
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