真っ黒になるまで熟したバナナは、ふつうに売れば、誰も買わないだろう。しかし、セールスコピーの技術を使えば売れる商品にすることができる。たとえば「砂糖を使わずに子どもが喜ぶ、あま~いバナナケーキを作ってみませんか? (黒い斑点は甘さがマックスになった証。バナナケーキを作るベストタイミングです)」といった表現が考えられる。
他にも、「経営不振で塾長がコンビニのバイトをしていた学習塾」や「販売実績0件の売れない空気循環システム」といったケースでも、セールスコピーが売上アップに寄与できる。どんな商品でも、伝え方次第でもっと売れるのだ。
セールスコピーライティングは、どうでもよい人にどうでもよい商品を売るためにウソをつく技術ではない。どんな商品にも、それを強く求める人がいる。セールスコピーライティングとは、そうした人たちを探し出し、彼らの心を動かす提案を魅力的に語るという、欲しい人へと欲しいものを売る方法なのだ。
同じ商品でも、アイデア次第でいろいろな売り言葉を作れる。売れるアイデアを探し出し、魅力的に表現する技術が、セールスコピーだ。文章表現をどれだけ工夫しても、売れないものはどうやっても売れない。大事なのは、売れるアイデアを天才的なひらめきによって生み出すことではなく、お客さんの頭の中から拾い上げることだ。そのためには、何を言えば売れるかという思考を捨て、読み手であるお客さんについて深く知り、お客さんのニーズや興味関心が何なのかを考えることが必要となる。
お客さんは、自らの欲求を満たすために消費行動をするのだから、その欲求とは「売れる世界」そのものといえる。お客さんの脳内にある「売れる世界」を探し出し、その世界で求められる優れた提案を考え、魅力的に語る。売れるセールスコピーはこの3つのステップで完成する。
そもそもお客さんは何にお金を払うのだろうか。ある商品の特徴やメリットをよく知っていて、価値を感じ、今すぐ必要だと思っていることはめったにない。ほとんどの場合、「たいして欲しくない」状況にある。
3,400冊以上の要約が楽しめる