電通現役戦略プランナーのヒットをつくる「調べ方」の教科書

あなたの商品がもっと売れるマーケティングリサーチ術
未読
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出版社
出版日
2021年09月21日
評点
総合
3.5
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
3.5
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おすすめポイント

知りたいこと、わからないことがあったらとりあえずググる。要約者にとって、調べることは仕事の中であまりに当たり前で、これまで「調べ方」について学ぶ機会はなかった。思いつくまま調べ、目についた気になる情報を興味の向くままに芋づる式で集めるのが常だった。すると、情報はどんどん集まる一方、肝心なことはわからないままという状況に陥ることがしばしばあった。

著者は、「とりあえず調査するという考え方を徹底的に捨てなさい」と戒める。その言葉が強烈に印象に残り、普段の「調べ方」を見直してみなければと、思わず姿勢を正した。

電通のマーケティング部門で10年以上にわたり、ヒットをつくる「調べ方」のノウハウを積み重ねた著者が、毎年同部門の新人教育プログラムにも使われている内容を詰め込んだのが、500ページ超の本書である。

リサーチについて知っておくべき幅広い知識のほか、すぐに活用できる実践的なテンプレートも含まれている。専門用語一つ一つに丁寧な解説が加えられ、いくつもの会社の具体例も載っている。教科書にして辞書でもあり、事例集でもあるのだ。

著者はうまく調べられるようになるまで5年以上を要したそうだ。だからこそ、日々リサーチを行う多くの人が、同じ苦労をせずに短期間で「調べ方」を習得できるよう本書を書いたという。

「世の中に必要とされる、売れる商品、サービスをつくりたい」。ヒットをつくる喜びを味わいたい人や「とりあえずググる」が習慣になっている人は、とりあえず本書を手にしてほしい。

ライター画像
Keisuke Yasuda

著者

阿佐見 綾香(あさみ あやか)
株式会社電通 第2統合ソリューション局マーケティングプランニング部 戦略プランナー

早稲田大学卒業後、2009年株式会社電通入社。以来、戦略プランナーとして数多くの企業のマーケティング、経営戦略、事業・商品開発、リサーチ、企画プランニングに従事。担当した業種は化粧品・アパレル・家庭用品・食品・飲料・自動車・レジャー・家電・アプリなど。大手企業だけでなく、ベンチャー・中小企業も担当するなど、幅広い業種・規模の企業を手掛けており、リサーチで見つけたターゲットインサイトをもとにヒットをつくることを得意とする。

本業の傍ら、ど文系でデータも読めずExcel も使えなかった入社当時の経験をもとに、リサーチに苦手意識がある人に寄り添ったセミナー、講演、社内研修等に登壇。電通のマーケティング部門にて、新入社員教育プログラムの1つ「マーケティング・リサーチ研修」を毎年担当。平均満足度は97%を超える。

さらに、業界初の女性マーケティング専門チームGIRL'S GOOD LAB(旧・電通ギャルラボ)に参画し、時代と共に変わり続ける女性のインサイトと女性の消費トレンドの変遷を、リサーチで10 年以上研究。

電通ダイバーシティ・ラボに参画し、「LGBT ユニット」のリーダーとして、日本のLGBTQ+の課題と、LGBTQ+を中心に広がる消費に関する日本唯一(2012年、2015年当時)の大規模なLGBTQ+調査を実施。そのリサーチ結果を活用し、企業や経営者向けの戦略、アイデアなどのソリューションを提供。

Forbes JAPAN 公式コラムニスト「マーケティング感性を磨いて時代を読む」、日本経営合理化協会「3分でつかむ! 令和女子の消費とトレンド」連載、宣伝会議「女性マーケティング講座」「化粧品業界のためのリサーチ基礎講座」、早稲田大学、武蔵野大学産学連携ゼミ、国際女性ビジネス会議他、講演・連載・寄稿多数。持論は「LOVE のカタチが変わると消費が変わる」。

本書の要点

  • 要点
    1
    「とりあえず調査」はしない。「ターゲット」と「セールスポイント」を絞り込むために、まずは仮説を出す。
  • 要点
    2
    顧客の調査はペルソナを精緻化した上で、インサイトを発見し、顧客の行動につながる施策に落とし込む。
  • 要点
    3
    競合を調べるときは、カテゴリが異なる競合に目を向けて売れるヒントを見つける。
  • 要点
    4
    自社の歴史をひも解き、本質的な価値と存在意義を知ることにより、競合に真似できない商品をつくる。

要約

調べる前に必要なこと

「調べ方」はすぐに上達する

「商品を売りたいけれど、何から始めたらいいかわからない」「マーケティング経験が浅く、リサーチする機会も少ない」「そもそも調べることに苦手意識がある」。そんな悩みを抱える人たちのために、著者は10年以上の経験とノウハウを本書に詰め込んでいる。

ヒットをつくるための調べ方に必要なのは、正しい「ターゲット」と「セールスポイント」の2つを見極めることである。「ターゲット」は、商品を買ってくれるお客さんのことであり、「セールスポイント」はターゲットの欲求に刺さる商品のポイントだ。

2つに焦点を絞り、よく使う「調べ方」を集中的に習得することで、無駄なお金や時間をかけずに、効率よく調べられるようになる。

「とりあえず調査」はしない
takasuu/gettyimages

「ターゲット」と「セールスポイント」を明らかにするためには、3つのステップがある。

STEP1:なんとなくの感覚で「仮説」を出す。

STEP2:仮説検証サイクルをグルグル回す。

STEP3:打ち手を実行する。

本書の対象は、打ち手を実行する前のSTEP1とSTEP2だ。

STEP1では「とりあえず調査」という考え方を徹底的に捨てることが重要だ。「なんとなく」で構わないので、直感的に感じる問題や本質的な問題だと思うことから「仮説」を立てる。

「なんとなく」とはいえ、あてずっぽうでよいということではない。「現時点で一番ありえそうな結論」を導き出す。調べ始める前に、まず自分の頭で考え、結論を出す習慣をつけるようにしよう。

仮説で次の打ち手を見つける

例えば、

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要約公開日 2022.01.12
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