よく「睡眠は質が大事」「いい睡眠をとろう」と言われる。「睡眠の質」は何によって決まるのだろうか。
睡眠の質や良し悪しを決めるのは「深睡眠(徐波睡眠)」である。睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠の2つがあり、それぞれ90〜120分のサイクルで繰り返されている。
脳も体も深く休息するのは、ノンレム睡眠のときだ。ノンレム睡眠は眠りの深さによって3つのステージに分かれており、脳が最もリラックスした状態にあるのが深睡眠だ。「ぐっすり眠れる」とは、深睡眠がとれている状態のことである。
深睡眠は、眠りについてから4時間の間に多く発生する。ぐっすり眠るためには、入眠から4時間以内に深睡眠を2回以上とることが必要だ。傷ついた体の細胞を修復する成長ホルモンは、深睡眠のとき多量に分泌される。深睡眠がとれていないと、脳や体の疲れを翌日に持ち越してしまうのである。
すっきり目覚めて1日を活動的に過ごすためには、眠ってから4時間の睡眠が大切だ。「午後10時から午前2時が眠りのゴールデンタイム」と言われることがあるが、実はいつ眠るかよりも、最初の4時間にいかに深く眠るかが重要だ。眠り始めてから4時間以内に深睡眠が確保できれば、脳と体の疲れの8割はとれる。
深睡眠にいち早くたどり着くため、著者が考案したのが「ぐっすりストレッチ」だ。入浴時、ふとんに入る直前、ふとんに入ってから、それぞれ1分間だけの簡単なストレッチである。1週間続けてみれば、睡眠の質が驚くほど変わることを実感できるだろう。
ステップ1は、寝る1~2時間前、入浴時に行う「1分間 首もみストレッチ」だ。まずシャワーを首の後ろにあてて、首の筋肉と血管を温める。次に親指以外の指を組み、首の横のくぼみを親指でかるくつまんで、上下にゆっくりと動かす。
ステップ2は、ふとんに入る直前に行う「1分間 腕まわしストレッチ」だ。まず腕を曲げ、脇を開いてひじを上にあげる。次に腕をそのまま後ろに向かって、肩甲骨を寄せるイメージでぐるりとまわす。ひじが体の前にきたら手を組み、前方に腕を伸ばす。そのまま頭の上までもってきて、ぐっと2秒くらい伸ばし、手を下ろす。またひじを曲げて、後ろにまわす。これを1分間に5~6回、ゆっくりやってみよう。
ステップ3は、ふとんに入ってから行う「1分間 足首曲げ深呼吸」だ。
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