自律神経とは、生命を維持し、体の状態を整える働きをする神経だ。自律神経には「交感神経」と「副交感神経」がある。交感神経は「体を活動的にするための神経」で、副交感神経は「体を落ち着かせ、休めるための神経」だ。
本書では、日常生活の中で簡単に実践できて、あなたのコンディションやパフォーマンスを確実に向上させる「自律神経を整える習慣」が紹介される。「自律神経を整える」とは、ごく簡単に言えば、交感神経と副交感神経をバランスよく、高い状態にすることだ。自律神経を整えて、100%に近いパフォーマンスを常に発揮できる状態をつくろう。
スマホや資料、イヤフォンなど、鞄に入れたはずのモノが見つからず、必死に探す――この瞬間、あなたの交感神経は跳ね上がり、血流は悪くなり、集中力は下がって、結果として仕事のパフォーマンスは著しく低下する。しかも、一度でも自律神経が乱れた状態になってしまったら、元に戻るまで時間がかかる。
だから鞄の整理は、コンディションを整える第一歩である。必要でないものは鞄から出し、必要なものは鞄の中で定位置を決めて収納するようにしたい。
自分にとってベストな鞄を選ぶことも重要だ。鞄の形、大きさ、深さ、ポケットの位置や数……あらゆる場面を想定し、もっともスムーズに、ストレスなく動ける鞄をイメージして選ぶ。ペンケースやメガネケース、スマホカバー、財布なども同じような意識で選んでいくと、持ち物がどんどん最適化されていくはずだ。その結果、あらゆる場面での動きが快適になり、自律神経が整って、仕事もうまくいくだろう。
自律神経を無駄に乱さないためには、「もしかして、こんな問題が起こるかな」といった不安を感じる前に対処しておくことだ。
その典型的な例が、車の給油だ。「もしかして、ガソリンが足りなくなるかも」と感じた時点で、自律神経が乱れてしまう。だから著者の場合、給油メーターが残り4分の1を切ったら迷うことなく給油する。同様に「財布の中身が〇万円以下になったら、必ず継ぎ足す」「電子マネーが〇千円以下になったら、必ずチャージする」も著者のマイルールだ。
本当に仕事ができる人は、常に余裕を持って準備をしているため、「お金が足りなくなったから、ちょっと貸して」「スイカのチャージが不足していたから、ちょっと待って」などと言うことはない。じつはこんな部分にも、大きな差が生まれている。
机の周辺や鞄、財布の整理を退勤前の習慣にするのもよい。落ち着いた気持ちで身の回りを整えると、自然と交感神経が下がり、副交感神経が高まって、体が「オンモード」から「オフモード」へと切り替わっていく。
この片づけは、翌朝の出勤時にも効果を発揮する。朝、自分のデスク回りが整っていると、余計なストレスを受けることなく、スムーズに仕事に着手できるはずだ。
心身ともに調子がいいときは、多少回りが散らかっていても、仕事に影響はないだろう。しかし少しでもコンディションが乱れていると、デスク回りが散らかっていることが大きなストレスにつながる。
3,400冊以上の要約が楽しめる