身の回りに数多くある「面倒なこと」も、習慣化すると意外と苦にならない。それどころか、やらないと落ち着かないようにもなる。それが習慣というものだ。つまり、面倒くさがらずに何かをやる最初のコツは、習慣化だ。習慣になれば面倒なことも自動化され、苦痛をあまり感じなくなる。やる気を出す必要さえなくなるのだ。
ロンドン大学のフィリップ・ラリーの実験結果によると、18日から254日で習慣化されることが分かっている。つまり、早ければ3週間で行動は習慣化される。
とにかく3週間続けてみよう。苦痛や怠け癖を乗り越え、3週間で楽になると思い定める。その期間は休まずに続けることが大事だ。休むと習慣化に時間がかかる。
私たちの生活の中には、数多くの選択肢がある。豊かな時代の証明ではあるが、選択肢が多いと選ぶのが面倒でもある。その面倒を避けるには、定型化が有効だ。
例えば、着る服を曜日で決める、ランチや夕食も曜日で決めるなど、生活で必要な選択肢を定型化すれば選ぶ面倒が無くなる。著者の家庭も1週間の献立が定型化されているそうだ。
米国スワースモワ大学のバリー・シュワルツの調査では、選択肢が増えるほど人はアンハッピーになるという結果が出ている。選択肢を絞って定型化することにより、面倒な考え事から解放される。
ただし、選択を否定するものではない。選択する自由は大切である。大切なことは選択し、不要なことは定型化する。そして面倒を減らすのだ。
一見して「とてもこの量は無理!」と感じる作業は、やる気を削ぐ。そんな場合は、その作業を分割するといい。膨大な作業も、細かく小さくなれば気が楽になるものだ。
これを「スイス・チーズ法」と呼ぶ。大きなスイス・チーズを塊のまま食べるのは不可能だが、砕いて食べれば大きな塊でも全て食べることができる、ということだ。
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