1981年の夏の終わり、著者の白木夏子(以下、白木)は、ファッションデザイナーの母と繊維関係の商社で働く父との間に生まれた。今では国際会議でスピーチをするなど精力的に活動をしている白木だが、幼少期は全く正反対の性格であった。一人で遊ぶのが好きで、絵を描いたり本を読んだりアクセサリーのデザインをしたりして過ごしていた。人に話そうとすると赤面し、言葉に詰まってしまう。集団行動を息苦しく感じ、できるだけ一人でいたいと思っていた。
だが、そんな白木にも転機が訪れる。高校が体育祭や文化祭に力を注ぐ学校だったため、クラスでチーム活動をするうちに、次第にリーダーシップを発揮するようになった。女子高だったため、男性の目を気にせずのびのびと振舞えたことも大きい。二年生の時にはキング牧師のスピーチに感銘を受け、文化祭でアメリカの人種差別問題をミュージカル風に表現し、全員で号泣した。いつのまにか赤面症の自分は影を潜めていた。
進路選択ではファッションの世界を考えたが、両親から猛反対を受け、一度は道を見失う。しかし、祖父からの「日本は女性にとって生きづらい。夏子は海外に行ったほうがいい」という言葉で、白木は留学を志すようになった。
高校を卒業した白木は、ひとまず短大に通いながら留学準備を進めた。短大では人生を変える衝撃的な出来事が待っていた。
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