お金に困らない人が学んでいること

「インプット」で人生を思い通りにする31の考え方
未読
お金に困らない人が学んでいること
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「インプット」で人生を思い通りにする31の考え方
未読
お金に困らない人が学んでいること
出版社
出版日
2022年02月24日
評点
総合
3.3
明瞭性
3.5
革新性
3.0
応用性
3.5
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おすすめポイント

本書は、結果につながる「学び」についての、オールラウンダーだ。「学ぶ意義」や「知識には種類があること」、「現代社会においては、どういった学びが求められているか」など、本質的なトピックから、「1日のうちに勉強に向いているのは朝」などといった、実際に学びを生活に取り入れる上で有効なコツまで扱っている。そのすべてがアフターコロナを見据えた現代社会の状況に基づいており、大変実践的な内容となっている。

「現状を変えたい」と漠然と感じている人にも、すでに何かしらの学びに取り組んでいる人にも、どこかしら刺さるポイントがあるはずだ。特に、「学び」において挫折した経験がある人や、自身の「学び」が向かう先、目的を確認したい人などは、本書を読むことで解決の糸口を見つけられるのではないだろうか。

「あとがき」で、「お金に困らないという状況」は、チャレンジする際のセーフティーネットになると書かれている。これがあれば、より大きな挑戦、高いパフォーマンスにつなげられるということだ。

本書のタイトルが『お金持ちの人が学んでいること』ではなく、『お金に困らない人が学んでいること』がふさわしい理由は、本書を読み進めると見えてくる。人生をよりよく生きるために、改めて「学び」と向き合いたいと感じさせてくれた本であった。

ライター画像
河合美緒

著者

岡崎かつひろ(おかざき かつひろ)
株式会社XYZ代表取締役。ジャパンスピーカーズビジネスカレッジ認定講師。講師としてこれまで延べ20万人以上を動員・指導。起業家育成の専門家でもあり、数多くの人の起業サポートをおこなっている。自身は26歳で起業し、飲食店、小売店、セミナー講師、不動産投資などで活躍。学生時代に働いていたバーテンダーでの学びを活かし、東京都内に出店したダイニングバーは連日満席。大手クチコミサイトでも3・5以上の高評価を獲得し、メディアでも話題となる。講師業では2015年におこなわれた「全国・講師オーディション2015」で決勝にも進出。その後、作家としてデビュー。初の書籍『自分を安売りするのは“いますぐ”やめなさい。』は発売1か月で7度の重版となり、新人としては異例のベストセラーになった。「すべての人の最大限の可能性に貢献する」ことを経営理念に、若手起業家の育成や、新人講師の育成などに取り組んでいる。本書は7冊目の著書となる。

著者公式HP:https://okazakikatsuhiro.com/

本書の要点

  • 要点
    1
    継続して学び続けるためには、「なぜ学ぶのか」考えるべきである。学びの目的は、モチベーションを保つことに効果を発揮する。
  • 要点
    2
    自分を成長させるにはビジョンを持つ必要がある。その際大切なのは、「約束した結果を出すこと」ではなく、「約束した結果が出ても不思議じゃないだけの努力をすること」である。
  • 要点
    3
    学ぶ習慣がついていなくて、勉強が苦手な人におすすめなのが、「耳学問」だ。「音声での学習」である。
  • 要点
    4
    インプットの質を高めるには、アウトプットが最良である。記憶効率をあげる黄金比は「インプット3:アウトプット7」だ。

要約

【必読ポイント!】 「学び続ける」ということ

人の差は「学び」でできる

福沢諭吉の『学問のすゝめ』には、「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らずといへり」という一節がある。これは人の平等を説いたものであるように見えるが、諭吉は「賢人と愚人との別は学ぶと学ばざるとによりて出来るものなり」とも書いている。「生まれによって人の差はないけれど、学びで人の差はできる」ということだ。

激動の明治時代の幕開けと同様、2020年からの新型コロナウイルスの感染拡大は人びとの生活様式を大きく変化させた。情報に振り回されず、次に起こることを予測して自分で判断していくためには、「学び」が重要となる。そして学ぶ楽しさを得ると同時に、「学び」を「成果」や「お金」に変えていく方法として、本書では31のポイントを挙げている。要約ではそのうちのいくつかを紹介する。

学ぶためのモチベーションとは
Mykyta Dolmatov/gettyimages

そもそも「なぜ学ぶのか」、きちんと理由を考えておきたい。

ただ単にこなすだけの仕事より、その価値を理解できている仕事の方が、モチベーションがわくものだ。「学び」についても同様に、何のためにやるのかが明確でないと続かない。

ただし、それが「収入をあげるため」だとしても、稼ぐこと自体は手段の1つでしかない。得られた収入を何に使うか、そのお金で何を体験できるのかが、学びの目的となるのだ。

人には次の5つの欲求がある。「褒められたい」「認められたい」「成長したい」「自立したい」「人の役に立ちたい」というものだ。これらが満たされると人は意欲的になれる。これは、あなたにとっての「この理由なら頑張れる」という原動力になる。「苦労を乗り越えたとき」、「嬉しさが込み上げたとき」など、人生のターニングポイントとなった過去の経験には、「がんばれる理由」が隠れている。

お金に関する最低限の知識

お金を稼ぎたいならば、お金について学ぶ必要がある。

「可能な限り、安くていいものを提供したい」という考えは一見するとよさそうだが、「自己犠牲のうえで誰かを幸せにしたところで、誰も喜ばない」。薄利多売をして赤字になり、撤退を余儀なくされるのではなく、いいサービスを長く提供することが企業の責任だ、というようなことを輸入ビジネスのプロフェッショナルである大須賀祐さんも述べている。

資本主義社会において、稼ぐことは悪いことではない。ビジネスを一時的な収入で終わらせないためには、ベースとなるお金の知識を持つ必要がある。「いまの収入と支出のバランス」「将来、必要なお金はどのくらいか」「リスクが発生したときに、どの程度お金があれば回避できるのか」「どんな状態をつくれば、金融的なリスクを発生させずに生活できるのか」という4点くらいは、ふまえておくべきだろう。

人生における経験値をあげる

人類総経営者時代

これからの時代は「自己管理能力」と「考える力」が以前より重要視される。

新型コロナウイルスの感染拡大以降、テレワークが爆発的に広まった。国土交通省の発表したデータによると、「2020年度のテレワーク実施者は前年度の9・8%から19・7%へ倍増」している。この傾向は、アフターコロナにおいても続くだろうと著者は考えている。「人間は便利なほうに流れる生き物だから」だ。テレワークならばどこにいても仕事ができる上に、通勤ラッシュにも巻き込まれない。オンラインセミナーでは会場を予約する必要もないし、海外から参加することもできる。こうした便利さを捨ててまで、元に戻そうとは考えないだろう。

ただし、テレワークでは自分で自分の時間、生活リズム、仕事の進捗を管理できなくてはいけない。そういう人でなければ、生き残れない世の中に向かっている。これは個人事業主や起業家の働き方に近い。「すべての人が経営者的なマインドを持って、自己管理能力を高め、自分で考えて仕事をしていく」ことが重要になる。

自分への約束と自信
Jacob Ammentorp Lund/gettyimages

自分を成長させるには「夢やビジョンを持つ」ことが必要である。「何ごともゴールが先にあって、手段はあとから選ぶもの」だ。旅行する際には、まず行き先を決める。人生を航海ととらえるなら、行き先がなければ遭難してしまう。

しかし、多くの人はビジョンを持つことに対してハードルを感じてしまう。「自分に自信がない」、あるいは「約束という概念が高すぎる」からである。

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要約公開日 2022.06.12
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