本書の目的は、ビジネスの課題解決にある。
ポイントは解決が必要と思われるテーマの中から「本当の課題」を特定することだ。その手法が「分解」である。
問題を上手に分解して課題を正しく設定することができれば、課題の解決は容易になる。逆にいうと課題の設定を間違えば、本当の課題は解決されないうえに、無駄なことに時間を費やすことになる。
本書で取り上げる課題解決は、次の4ステップだ。
①「現状把握」=本当の課題を特定する
②「解釈」=課題解決策を見つける
③「介入」=現場に課題解決策を実行してもらう
④「感情を保留」=①〜③をうまく進める
順を追って説明していく。
問題と課題、これらはどう違うのか。本書では次のように定義し、明確に使い分ける。
「問題」は、現在起きているよくないことや、気になること、もやもやしていること。
「課題」は、将来に到達したいゴールやあるべき姿(=To Be)と、現状このまま進捗した場合にその将来に到達できるであろうポイントとのギャップである。
つまり、問題は現状の話であり、課題は未来とのギャップなのだ。問題が発覚したとき、それが単なる問題なのか、未来にも影響がある課題なのか、見極める必要がある。問題の中から、「本当の課題」をピックアップするのだ。これを「問題の課題化」と呼ぶ。
ポイントは、課題は解決すべきだが、問題は解決せず放置してよいということだ。
この整理の仕方を知らない人は、問題が起きると次々に解決に取り掛かってしまい、それがかえって本来解決すべき課題を見つけることを難しくしている。
気になることが現れた際、すぐに解決に当たるのではなく、「これは単なる問題ではないか」と一歩引いて考えてみることが重要だ。
では、本当の課題を特定するにはどうしたらいいだろうか。それは解決したいテーマを上手に「分解」することだ。
方法はたった2つ、プロセス(時間軸)で分解する、2つの軸のマトリックスで分解するしかない。
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