1冊のノートで先延ばしを撃退する方法を紹介する前に、先延ばしの定義を確認しておきたい。なぜなら多くの人がその意味を取り違えているからだ。
本書でいう「先延ばし」とは、「あなたにとって重要な仕事・価値あることを後回しにすること」である。重要ではない些末なことを後回しにするのは先延ばしではない。むしろ後回しにしても誰にも迷惑をかけないのであれば、どんどん先送りにしていい。
重要なのは、先延ばしにすると、自分の人生や仕事が重大な損失を被るかという視点である。それを判断するには「自分の人生で本当に実現したいことは何か?」を知る必要がある。
先延ばしにはメリットがある。それは「その瞬間はイヤな思いをせずにすむ」ということだ。
締め切りや資格試験が差し迫っているときに本を読んだりゲームをしたりして気分転換したくなることがあるだろう。そうすれば面倒なことや気乗りしないことから解放され、不安や苦労、面倒を感じずにすむからだ。
反面、ストレスが増えるというデメリットもある。先延ばししていることがいつまでも頭から離れず、不安や自己嫌悪が膨らんでフラストレーションがたまってしまう。しかも、重要なことを先延ばしすることは未来の自分にツケを回していることにほかならない。
行動量を2倍にすれば先延ばしはなくなるかというと、そうではない。膨大な仕事量を抱えたなかで処理スピードを上げたところで、一時的に先延ばしが減るだけですぐにリバウンドするだろう。
一方、先延ばしの問題など発生しないという人も存在する。いったい何が違うのだろうか。
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