web3にある多くの要素のうち、特筆すべきはブロックチェーンの新技術により、「非中央集権的」という方向性をふたたび目指すことになった点だ。
ウェブ黎明期には、Yahoo!などみずから情報を発信しようとした人々は、自分の手でWWWサーバーを立ち上げた。中心はなく、分散的なサーバーが世界中に点在する世界だ。次第に大企業や大組織、各国政府も参入し、すでにある情報の閲覧が主目的になっていった。これがWeb1.0である。
Web2.0は、ブログなどを通じ、ふたたび個人による情報発信が試みられた。やがてSNSも流行りだし、参加人数の増加に伴い、これらの場を提供する企業、プラットフォーマーが強大化した。
気付けば、黎明期にネットの美点だった非中央集権的な構造が、数少ないプラットフォーム企業を中心に展開する中央集権的な構造になっていた。
そこでweb3が胎動した。
web3と、Web1.0、2.0との決定的な違いは、「分散的=非中央集権的」という点だ。ブロックチェーンなどの仕組みにより、金融システムや組織ガバナンスなど、あらゆる層で分散化(非中央集権化)が起こっている。
それを象徴するのが「DAO」(Decentralized Autonomous Organization=分散型自律組織)だ。特に影響度が大きく、新たな組織形態によってガバナンス、仕事、働き方を根底から変える可能性を秘める。
メタバースのメガトレンドは、やはりバーチャルリアリティ(VR)だ。VRの世界で人と交流したり、アクションを起こしたりするアイデア自体は古くからある。しかし、ここへきてメタバースという言葉に置き換わって急激な盛り上がりを見せている。
背景にはコロナ禍がある。リモートワークが推奨される中、Zoomなどを使ったオンラインミーティングが普及し、人々が対面ではなく、オンラインで「会う」のが当たり前になった。バーチャル世界で「会う」ことへの身体的・心理的障壁が低くなったのだ。
VRを含むメタバースは、人間が己の身体性や属性から解放され、時空を超えて意思疎通できる場であり、自分たちのアイデンティティやコミュニケーションに大きな変化が起こることは確実だ。
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