グローバル化が進み、経済から感染症まで、海外で起こったことが自分達の生活に直接的に影響するようになってきた。また、デジタル化が進んだことで、働き方もがらりと変わった。変化が激しく不確実性が高い現代を生き抜いていくためには、思考停止に陥らずに、自分の思考力を活用して、いかなる局面も乗り切っていかなければならない。
自身の頭で考える思考力の大切さは、教育現場や実社会でも長らく強調されてきた。いまでもその重要性が強調されているのは、自身の頭で考えることが苦手な人が多い証拠だ。
近年の学習指導要領では「生きる力」をつける、アクティブ・ラーニングで主体的・対話的で深い学びを行うといった方針を出している教科書や授業の内容が大きく変化するなか、高校の社会科科目の学習内容も2022年に28年ぶりに変化を遂げている。
おおまかに言うと、社会科はこれまで、「世界史」と「現代社会」が必修で、「日本史」と「地理」のいずれかが選択科目であった。22年からは「地理総合」、世界史と日本の近代史を中心とした「歴史総合」、現代社会が一新された「公共」の3つが必須科目となった。高校時代に社会科を学ばなかったことの弊害が徐々に浮き彫りになってきたからだ。暗記科目として認識されてきた社会科目は、思考力を鍛える科目へと生まれ変わろうとしている。
では、近年話題のトピックを題材に、自分の頭で考える練習をしてみよう。戦後、日本はなぜアメリカに次ぐ世界第二位の経済大国となるまでの経済成長を遂げられたのだろうか。
ポイントは「教育水準」と「人口」にある。
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