創造力は、1つのフレームワーク(「課題」×「解決方法」)と3つの思考法(「統合思考」「アナロジー思考」「転換思考」)で、誰でも後天的に伸ばせる。このフレームワーク上で3つの思考法を組み合わせ、発想を無限に広げられる。
創造的に考える4つのステップは以下のとおりだ。
第1ステップでは、物事を「課題」と「解決方法」に分解する。課題は、さらに、Who(どんな人が)、Where(どんなところで)、When(どんなことをしているときに)、の3つに分解される。その組み合わせで作られるシーンにおいて、課題(Why)は発現する。解決方法は、What(何を使って)とHow(どのように)の組み合わせによって決まる。
第2ステップでは、統合思考と転換思考で課題を特定する。あるいは、アナロジー思考で解決方法のヒントを得る。
第3ステップでは、解決方法の側で「3つの思考法」を用い、まだ組み合わせていない既存の解決方法を探索して、特定する。
そして最後に、課題と解決方法を組み合わせる。
創造力とは無から何かを生み出すのではなく、既存のいろいろなものを繋ぐ力である。
ベースとなる課題や解決方法も既存のものでよい。既知の解決方法とこれまで結びつかなかった課題が新しく結合することで、創造的なアイデアが生まれる。すでにある課題に対して、これまで組み合わせたことのない解決方法を持ってきた場合も同じだ。
なかでも、既存の課題に、既知だがその課題とは組み合わされていない方法を結びつけるパターンが、もっともアイデアを出しやすい。
課題ドリブンは基本路線だが、解決方法から考え始めても間違いはない。重要なのは「新しい組み合わせを探すこと」「そこにちゃんと『解決したい課題』があること」だ。
統合思考には2つある。1つ目は、複数の課題を抽象的に捉え、一気に解決する方法だ。2つ目はトレードオフ関係にある課題を見つけ、両方をまとめて解決する方法だ。ポイントは「課題を抜本的に捉え直すこと」である。
本質的な課題を見つけるのに重要なのは、「楽をしたい」「みんなに認められたい」といった本能的な欲求である「本源的欲求」と、「手軽に食事をしたい」「会社で表彰されたい」といった特定のシーンで発現する具体的な欲求としての「ニーズ」を区別し、その違いを意識することだ。
本源的欲求を考えるメリットは、幅広い発想ができ、より多くの人の共感を得て、多くのニーズを一気に解決できる方法を導き出せることだ。
しかし、本質的欲求から具体的な解決方法を考えるのは難しいときもある。そこで、本質的欲求にちょっとずつ近づける(抽象化する)ことで最適な課題を特定するとよい。
課題の具体性は、シーン(具体的な場面)を構成するWho、Where、Whenの抽象化の度合いで調整する。「疲れずに階段を上ってスーパーの2階に行きたい」というニーズを考えてみよう。
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