DX(Digital Transformation)とは、デジタル技術を活用したビジネスモデルの革新である。その本質的な目的は「変革による競争優位の確立」であり、デジタル化はその手段と捉えるべきだ。
ITの導入による業務の効率化や、事務の電子化による生産性の向上も有効な取り組みではある。しかし、そうしたデジタル化だけでは、競争優位の確たる構築には至らない。
今までとは異なる誰かに、今までとは違う方法で、今までにはない価値を提供する――そうした新しいビジネスを創造することによって、非連続な成長によるパラダイムシフトを成し遂げることがDXの真骨頂だ。
DXのビジネスにも当然ながら事業性は必須だ。事業性とは、収益性×成長性を指す。つまり、収益を得られなければ事業として成立しないし、持続的な成長が見込めなければ投資を得ることは難しい。
ビジネスモデル構築の基本要件として、「需要性」「経済性」「先行者優位性」「競争優位性」「戦略性」の5つを充足させる必要がある。
「需要性」
・現状への不満や不便(ペインポイント)の解決に寄与できるか?
・潜在的な需要を掘り起こし、新たな需要を創造できるか?
「経済性」
・ユーザーにとってお金を払うだけの価値はあるか?
・ユーザー以外の第三者からも収益を得る機会が見込めるか?
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