働き方が多様化する現代では、それぞれの業界・職場・雇用形態によって、全く想像のつかない環境に相手がいることがある。働く環境に違いがあっても、仕事上でかかわる際の意思疎通の手助けとなるのがビジネスマナーだ。たとえ価値観が違っていても、ビジネスマナーという一定のルールを共有していれば、互いに気持ちよくビジネスを進めることができる。
ビジネスマナーは「相手への思いやり」を表現する方法であり、知っていれば相手に好印象を与え「気持ちよく働く」ことができる。また、意思疎通の不足によるミスなどを防いで「効率を上げる」ことができ、「安全な業務の遂行」にも役立つものだ。
経団連が公表している「新卒採用に関するアンケート調査」によると、学生に求める資質や能力で最も重視されているのは「コミュニケーション能力」である。コミュニケーションが苦手な「コミュ障」ほど、ビジネスマナーを身につけておくと役に立つ。ビジネスマナーとは、本来「相手を尊重しつつ、互いに気持ちよく効率的にビジネスを進める」ためのルールだ。その法則通りに行動すれば、相手との摩擦が生じることはない。
敬語とは、目の前の相手や話題にあがっている人に対して敬意を表す言葉づかいである。敬語の基本は上下関係を表すことであり、慣れてしまえば難しくない。まず、上司・先輩、社外の顧客といった相手への尊敬の念を表現するために、相手を高める言い方が「尊敬語」である。「部長が召し上がった」などの表現がこれにあたる。次に、自分や身内を下げる言葉づかいが「謙譲語」である。「私がいただいた」のように、相対的に相手の立場を上げて敬意を表す。
相手に敬意を表したつもりが間違った表現を使っていたという場合も少なくない。「高岡様がなさっていらっしゃった」のような二重敬語や、「岡崎様はおりますか?」と尊敬語を使うべき場面で謙譲語を使うのはNGだ。間違いやすい敬語の例はチェックして直しておこう。
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