著者は独学を「学校や塾の先生の教えを受けずに、自己管理をしながら勉強すること」と定義する。塾や学校に行けば先生から洗練された授業を受け、復習のための宿題まで出してもらえるが、授業や宿題はあくまでも理解を深めるための補助道具でしかない。そこで得た知識を定着させ、自在に引き出すには「独学」が必要不可欠である。
しかし、一人で勉強していると、頑張っているのに成果が出ないということもあるだろう。成績を伸ばすには「十分な量」を「正しいやり方」で勉強する計画を立てることが重要だ。これは何も受験勉強に限った話ではない。何を学ぶにしても、正しい計画と実行は勉強の成否を分けるカギになる。つまり、「独学を制した者が勉強を制する」のだ。
勉強ができるのは、その人に才能があるからではないか? なかにはそう考える人もいるだろう。しかし、勉強を成功させるには才能が必須、というわけではない。むしろ、大事なのは才能よりも根気強さだ。独学は決して手を抜いて成果を出す試みではない。やりたいことを我慢して、貴重な時間を勉強にささげる、一種の自己鍛錬だ。急激に成績を伸ばす人は、「何か一つがうまくいく」ことが突破口になり、そこから成長し始めることが多い。最初は思うような成果が出なくても、達成の実感を得られるまでがんばり続ける——そんな根気強さが独学の成否を分ける。
しかし、「独学のカギは根気強さだ」というだけでは、単なる根性論で終わってしまう。根気強さを維持するカギは、「計画」と「仕組み」だ。がんばり続けることが重要ならば、根気強さを継続できるような計画と仕組みをつくってしまえばいい。
自分で勉強をはじめたけど、途中で投げ出してしまった。独学に対してそんなネガティブなイメージを持つ人も少なくはないだろう。しかし、独学を自分のモノにしてしまえば大きなメリットを得ることができる。ここではそんな独学のメリットを四つに分けて紹介しよう。
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