あなたが友だちと会話をしているとする。
友だち「先週バーベキューに行ったんだけどね」
あなた「へえ、バーベキューかぁ! そういえば最近行ってないな。もう2年くらい行ってないかも」
友だち「……そ、そうなんだ。でね、バーベキューに行ったらね」
あなた「でも、バーベキューって準備とか大変だよね。そうだ、屋上で飲めるビアガーデンがあってさ……」
友だち「……」
友だちはきっと、バーベキューでのエピソードを話したかったのだろう。ところがあなたは自分の話ばかりしてしまった。友だちはイヤな思いをし、もうあなたとは話したくないと思ったかもしれない。相手の話をきっかけに自分の話をするのは「損」な話し方だ。
誰しも自分のことを話したいもの。だからこそ「聞く姿勢」を持つ人は必ず得をする。
相手の話を要約して返すのは、一見「聞き上手」に思えるかもしれない。だが実はこれも「損」な話し方だ。
「義母が子どもに会いたがって週末によく家に来るんですけどね……。『迷惑です』とも言えないし、困ってしまって……」
「なるほど。要するに、よくある嫁姑問題ですね。簡単ですよ。えっとですね……」
相手は「ただ悩みを聞いてもらいたい」「他愛のない話を共有したい」と思って話している。それなのに、相手の話を要約してしまうと「この人、ぜんぜん共感してくれていないな」「単に自分の頭のよさをアピールしたいだけなのでは?」と思われて、相手をぐったりさせてしまう。
一方、話し方で得する人は、相手の話をまとめることなく、ぜんぶ聞いて共感を示す。まずは「そうなんだ」「そうですよね」「大変でしたね」といった共感の言葉を増やすことから始めよう。
話を「まとめる」のではなく、逆に「広げる」「続ける」のも「得」な話し方だ。先の例では「困っちゃいますよね。姑さん相手だと、つい遠慮しちゃうし……」と、相手が話を続けやすいように返してみよう。相手は「聞いてくれている」と安心するとともに、あなたをますます信頼してくれるだろう。
思い込みが強く、人に押しつけるのは「損」だ。
たとえば、Aさんの風邪が長引いているとき。
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