話し方で損する人得する人
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話し方で損する人得する人
出版社
ディスカヴァー・トゥエンティワン

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出版日
2022年07月25日
評点
総合
3.7
明瞭性
3.5
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

あなたは自分の話し方に自信があるだろうか。要約者はもちろんない。親からは「あんたはいつも言葉足らず」、妻からは「ズバッと言われてショックを受けることがある」と評価されている。上司や同僚も、胸のうちにモヤモヤを抱えていることだろう。

本書の著者、五百田達成氏は「伝えることのプロフェッショナル」だ。そんな五百田氏によると、世の中には2種類の人がいる。一人は、いつも和やかで、「あの人のためなら」とまわりが動いてくれる人。もう一人は、いつもイライラしていて、声をかけても人を動かせない人。この2人の違いは「話し方」にあるという。話し方次第で人間関係は良くも悪くもなるのだ。

本書の特徴は「話し方で損する人」と「話し方で得する人」を対比させて示している点だ。損する話し方として、相手の話を要約する、すぐに質問をはさんで話の腰を折る、出欠の返事が遅い、「また誘ってください」と言う、ちょっと叱られるとすぐ落ち込む、などが挙げられている。ドキッとする人も多いだろう。

「損得なんか抜きで、好きに話したい」「相手がどう思おうと関係ない」と思う人はきっと少ないはずだ。誰しも「得する話し方」をして、ストレスの少ない、笑顔あふれる人生を送りたいだろう。「これまで話し方で損をしてきたかもしれない」と感じた方は、本書を読んで「得する話し方」を学んでみてはいかがだろうか。

ライター画像
Keisuke Yasuda

著者

五百田達成(いおた たつなり)
心理カウンセラー。米国CCE,Inc.認定GCDFキャリアカウンセラー。
東京大学教養学部卒業後、角川書店、博報堂、博報堂生活総合研究所を経て、五百田達成事務所を設立。個人カウンセリング、セミナー、講演、執筆など、多岐にわたって活躍中。専門分野は「コミュニケーション心理」「社会変化と男女関係」「SNSと人づきあい」「ことばと伝え方」。
サラリーマンとしての実体験と豊富なカウンセリング実績に裏打ちされた、人間関係、コミュニケーションにまつわるアドバイスが好評。
「あさイチ」(NHK)、「スッキリ」(日本テレビ)、「この差って何ですか?」(TBS)ほか、テレビ・雑誌などのメディア出演も多数。著書『察しない男 説明しない女』『不機嫌な長男・長女 無責任な末っ子たち』『超雑談力』『不機嫌な妻 無関心な夫』『部下 後輩 年下との話し方』(以上、ディスカヴァー)はシリーズ100万部を超えている。
オンラインサロン「おとなの寺子屋~文章教室~」も好評。

本書の要点

  • 要点
    1
    相手の話をきっかけに自分の話をするのは「損する話し方」だ。相手が話し始めたら聞き役に徹しよう。
  • 要点
    2
    飲み会のお礼として「また誘ってください」と言う人は損している。幹事を人まかせにせず、「今度は私が企画します」「次はぼくがお誘いします」とやる気を伝えるのが「得する話し方」だ。
  • 要点
    3
    声が小さい人やネガティブな人は損だ。人間関係においては、明るくて社交的な人が得をする。

要約

家庭・友人編

相手が話し始めたら「聞き役」に徹する

あなたが友だちと会話をしているとする。

友だち「先週バーベキューに行ったんだけどね」

あなた「へえ、バーベキューかぁ! そういえば最近行ってないな。もう2年くらい行ってないかも」

友だち「……そ、そうなんだ。でね、バーベキューに行ったらね」

あなた「でも、バーベキューって準備とか大変だよね。そうだ、屋上で飲めるビアガーデンがあってさ……」

友だち「……」

友だちはきっと、バーベキューでのエピソードを話したかったのだろう。ところがあなたは自分の話ばかりしてしまった。友だちはイヤな思いをし、もうあなたとは話したくないと思ったかもしれない。相手の話をきっかけに自分の話をするのは「損」な話し方だ。

誰しも自分のことを話したいもの。だからこそ「聞く姿勢」を持つ人は必ず得をする。

「そうなんだ」と共感しながら話を最後まで聞く
Sam Edwards/gettyimages

相手の話を要約して返すのは、一見「聞き上手」に思えるかもしれない。だが実はこれも「損」な話し方だ。

「義母が子どもに会いたがって週末によく家に来るんですけどね……。『迷惑です』とも言えないし、困ってしまって……」

「なるほど。要するに、よくある嫁姑問題ですね。簡単ですよ。えっとですね……」

相手は「ただ悩みを聞いてもらいたい」「他愛のない話を共有したい」と思って話している。それなのに、相手の話を要約してしまうと「この人、ぜんぜん共感してくれていないな」「単に自分の頭のよさをアピールしたいだけなのでは?」と思われて、相手をぐったりさせてしまう。

一方、話し方で得する人は、相手の話をまとめることなく、ぜんぶ聞いて共感を示す。まずは「そうなんだ」「そうですよね」「大変でしたね」といった共感の言葉を増やすことから始めよう。

話を「まとめる」のではなく、逆に「広げる」「続ける」のも「得」な話し方だ。先の例では「困っちゃいますよね。姑さん相手だと、つい遠慮しちゃうし……」と、相手が話を続けやすいように返してみよう。相手は「聞いてくれている」と安心するとともに、あなたをますます信頼してくれるだろう。

考え方が柔軟で人に押しつけない

思い込みが強く、人に押しつけるのは「損」だ。

たとえば、Aさんの風邪が長引いているとき。

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要約公開日 2022.11.01
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