人間の偉さは、どのような志を立て、それをどれだけ実現するかによって決まる。人間の志とは、その人が真に望めば、必ずいつか何らかの形で実現するものだ。
例えば、楠公の精神は、没後600年にして明治維新という形で実現した。また、吉田松陰先生の志も、先生の書物を読んで深く心を動かされた者の中に生きている。真実に生きた人の精神は、生前には十分に遂げられなかったとしても、死後、多くの人の心に火をつけて燃え拡がるものなのだ。
今生きている人はあと数十年もしたら必ず死ぬ。それを乗り越えるためには、肉体が朽ち果てた後もその精神において生き得るような、真実心を持って生きなければならない。偉人と呼ばれた人はみな、偉大な真実心に生きた人々である。将来どのような人間になりたいかだけではなく、どうしたら死後も生き得る人間になるかも重要だ。
二度とない人生を、真に生き抜こうとするためには、古人に学ばなければならない。偉人として知られているような人々はみな、真に命がけで生き抜いた人々だ。
偉人に学ぶためには、まずはその人の伝記を読むとよい。偉人が自分と同じ歳でどのようなことを自覚し、何を成し遂げたのかを知れば、じっとしていられなくなるだろう。書物を通して古人の精神にぶつかっていくことこそ、真の意味で古人に学ぶことである。
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