「失敗なくして成功なし」。著者はアップルやマクドナルドの経営をする上で、たくさんの失敗をしてきた。しかし、たくさん失敗しているということはたくさん挑戦しているということである。若いうちにはリスクを排除することなく、ただがむしゃらに進むことが大切である。
ところが中には「指示を待つだけ」「予算を使いこなすだけ」「失敗を恐れて挑戦しない」社員がいる。この3タイプに共通しているのは、「情熱が足りない」ということだ。何事にも情熱を持って挑戦し、常にベストを尽くして結果を積み上げていく社員が、最も優秀な社員である。
実は著者は60歳までヘビースモーカーで運動もほとんどしなかった。一念発起し、ランニングやサイクリングを始めたところ、より集中して仕事ができるようになり、物事を前向きに考えられるようになった。仕事に必要なのは「考え抜く力」。仕事力と健康管理は密接に結びついており、精神的な健康は身体的な健康があってこそだと日々実感している。
自分の将来を細かくイメージし、あれこれ悩んでみたりしても大半はうまくいかない。それよりも目の前の仕事に全力を尽くすことが重要だ。自分のキャリアを決めるのは周囲の人であり、自分の描いたプラン通りになることはないからだ。出世することを目標とするのはナンセンスなこと。大切なのは、今、自分が周囲から与えられている仕事、目の前の仕事に全力を尽くし、わき目も振らず取り組むことである。
もちろん、長い仕事人生の中で転職することもあるだろう。転職したときは、それまでのキャリアや経験を捨てるつもりで働いてみることだ。転職してすぐにするべきなのは、その会社の「弱み」ではなく、「強み」を見つけることである。著者自身はアップルからマクドナルドに移り、前の会社のやり方を踏襲しようとはしなかった。マクドナルドの「強み」に目を向け、そこから新たな試みに挑戦していった。
大きな目標を掲げることこそが、リーダーの仕事だと著者は考えている。リーダーが大きな目標を掲げるのは、会社の中にあるチャンスを社員に教えるためだ。「できるわけがない」と思うようなビジネスや、難しい案件でも、部下を「やる気」にさせて目標を達成することが重要だ。そのことが部下の成長を促す。
リーダーは朝令暮改でいい。何事もまずやってみてから検討すればいいし、結果として間違っていたら変えればいい。著者自身、成功体験の10倍の失敗をしているが、数々の失敗体験が成功につながっていると感じている。リーダーの発言内容が変わると部下は戸惑うかもしれない。しかし、
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