仕事ができる人とできない人の違いは何か。その差は、課題解決の3ステップ(超メタ思考)のうち、最初の2ステップをきちんと実践しているか否かにある。
(1)課題の認識
(2)課題の推論
(3)施策の執行
ステップ1「課題の認識」では、何が問題で、最終的にどうしたいのかを正しく捉える。「目的地(何を成し遂げたら達成といえるのか?)」「現在地(現状はどういった状態か?)」「方向性(どのように目的地へ向かうか?)」「スケジュール」の4項目を、相手とすり合わせておくのがポイントだ。こうすれば、間違った方向に進んで時間や体力、お金を浪費せずに済む。
ステップ2「課題の推論」では、問題を細かく掘り下げ、原因と解決策を割り出して施策の優先順位を決める。「売上の伸び悩み」などといった一見複雑そうな課題でも、分解すれば本質がわかり、効果的な解決策が見つかる。
ステップ3「施策の執行」では、ステップ2で決めたタスクを実行する。多くのビジネスパーソンは、ついこのプロセスにばかり注力してしまうものだ。
上司にとって、部下の状況がつかめないのは非常に不安なことだ。究極的に言うと、部下の仕事がうまくいっていないことよりも、部下が何をしているか把握できないこと、部下のミスを予測できないことの方がストレスとなる。会社員であるなら常に「上司を不安にさせない」という視点を持って動きたい。「あの件はどうなっているの?」「進捗状況を教えて」と尋ねられたら、かなりマズい状況だ。
施策の執行しかできない部下の場合、上司が「認識」と「推論」を行わなければならなくなる。多忙な上司からすると、やはり最初から最後まで丸投げできる部下の方がありがたいものだ。自ら「認識」と「推論」を行い、何かが起こる前に報告・確認してくれる部下であれば、上司は安心して仕事を任せられる。
そもそも「課題」とは、あるべき姿を思い描いた際に見えてくる現状とのギャップのことだ。理想と現状が乖離している原因を見極め、理想に近づけていく方法を考えるのが課題設定である。
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