著者は、数字とは「コトバ」であると定義している。コトバとは、コミュニケーションで普段使っている言葉のことだ。ビジネスに関するデータや経済指標などは、発した側と受け取る側のコミュニケーションを生みだす、まさにコトバである。
コトバを発した側(数字を見せる側)は、ミスリードを期待する「だまそうとしている」場合と、まったくそんなつもりがない「だまそうとしていない」場合に分けられる。受け取る側の結果は、その数字によって「だまされない」と「だまされる」の2種類だ。相手がだまそうとしていないときに自分がだまされないのは普通のことだ。相手がだまそうとしているときにだまされてしまうのはもちろん困りものだが、問題は相手にだますつもりがなかったとしても、あなた自身が数字にだまされてしまうことがあるということだ。
相手がだまそうとしているかどうかは問題ではない。重要なのは、あなたがその数字にだまされないことなのだ。「だますほうが悪い」は正論だが、そう思っていてはいつまでもだまされる可能性を排除することはできない。だまされることを自分の問題としてとらえ、どんな場面でもだまされない数字の読み方を身につけようと考えることから始めよう。
「顧客満足度が90%!」
そう聞くと、多くの人に支持されている製品だと思ってしまいそうだ。しかし、著者は、これだけでは評価できないと指摘する。「もとの数字」の定義が明らかではないからだ。
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