素直な心になろう。素直になれば、ものの本質がわかり、正しくものが見られる。すると賢くなり聡明になってくる。聡明の極致は英知、英知の極みは神知である。素直な心になれば、神の知恵になるのである。
しかし、そう簡単に素直な心にはなれない。だから、素直な心になるということを日々念ずることが大切だ。朝起きたら「きょう一日素直な心で無事にいかせてください」と心に念ずるのだ。これを30年続けたら、素直の初段になれる。碁を知らない人が碁を1万回打ったら、上手下手はあるものの、だいたい初段になれるというのと同じだ。
素直の初段になれば、だいたいものの実相がわかる。品物の良し悪しや、買っていいものやだめなものなど、そういうことがわかるようになる。
素直な心は、あなたを強く正しく聡明にする。ものを見るのにたとえ自分に都合が悪いことでも、実相をつかまなければならない。だから、講師の話を聞いたり、自分で本を読んで考えたりする場合も、素直な心で判断することを心がけよう。
政治の世界では、自分の考えと違う党に対してみんなことごとく反対する。しかし、これは損である。敵の考え方にもいいところはある。相手の欠点を指摘するばかりでは、永遠によくならない。
選挙演説で、相手の党をほめてもいいはずだ。相手の党にいいところがあるなら「おっしゃることのこの点はいい。ぜひやってください」と言い、「しかし、我が党はこういう点で違った味もあり、おいしいですよ。さあおあがりなさい」と言うのである。相手をほめていいとこ取りをする方が、賢いやり方ではないだろうか。
この世に存在するものは、すべて有用だ。どの品物でもどういうことでも否定すべきではない。これらをすべて社会に提供すること、それがPHP(Peace and Happiness through Prosperity; 「繁栄によって平和と幸福をもたらそう」という意味)の基本原則である。ここに14人の人間がいれば、「持ち味が違って、なおよろしい。いろんな持ち味があっていい」ということだ。
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