「できるリーダー」と「できないリーダー」の能力に大きな違いはない。両者の分岐点は「仕事をシンプルにする力」の有無である。
結果を出しているリーダーをよく観察すると、「やるべきこと」「やるべきでないこと」を的確に判断し、仕事をシンプルにして、「やるべきこと」を効率的、生産的に進めている。一方、できないリーダーは「あれも、これも」とむやみに手を出しがちだ。
大量の情報があふれかえる現代において、本当に必要な情報を厳選し、やるべきことのみに集中することの重要性は明白だ。仕事を円滑に進めるためには「捨てる力」が不可欠なのである。
仕事をシンプルにする力があるリーダーは、解決すべき「課題」を明確につかみ、それを確実に解決する。そこで重要になるのは「問題」と「課題」の区別だ。
「問題」は理想と現実のギャップから生じる。営業でいうと、売上目標と実績に差が生まれていることは「問題」である。
一方、「課題」とは、問題を解決するために「会社」ではなく「自分」がやるべきことを意味する。つまり、自分個人にとって特定化された、解決すべき事柄のことだ。
問題と課題を区別できなければ、部下への指示もおぼつかない。根性論や精神論を振りかざし、「がんばれ」とあおるだけに終始してしまうのだ。部下に的確な指示を出し、チームを正しい方向へと導いていくためにも、リーダーは「仕事をシンプルにする力」を磨いて「やるべきこと」を見極めなければならない。
「仕事をシンプルにする力」を磨くためのポイントは4つある。1つずつ紹介しよう。
1つ目は、感情の波を小さくすることだ。
感情の高ぶりは、非論理的で複雑な思考・行動を引き起こす。特に怒りや嫉妬といった負の感情はやっかいだ。負の感情に振り回されてしまうのは二流以下のリーダーがやることである。
仕事は選択の連続だ。リーダーは心をニュートラルな状態に保ち、意思決定を合理的かつシンプルに進めていくべきである。
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