自分としては「考えている」のに答えが出ず、前に進めない。相手に伝わらない。頑張っているのに結果が出ない——。これらの解決策はすべて同じだ。大きな塊を分ければいいのだ。著者がこれまで自分でも思いがけないほどの実績を残してきたのは、「分解思考」を身につけていたおかげだ。
「分解思考」とは、文字通り「小さく分解して考える」ことだ。うまくいっている人や組織は、大きな目標に向かって、それを実現するための方法を適切に分解している。分解して考えれば解像度が上がり、問題点を明確にしたり、本当に必要な課題を見つけたりすることができる。
たとえば、「週末リフレッシュしたいんだけど、いい場所ある?」と聞かれたとする。「リフレッシュしたい」という言葉だけでは漠然としていてイメージが湧きづらい。しかし、「リフレッシュ」という言葉から、「スポーツがしたい」「自然の中で仕事のことを忘れたい」「温泉につかりたい」などの思いつく選択肢を挙げて考えていくと、「自然のあるところに行きたいけど面倒なことはしたくないからグランピングの施設があるところがいい」などと具体化できる。「リフレッシュ」という漠然とした言葉から、「グランピング」まで解像度が上がり、すぐに行動に移せるようになった。
仕事でも、意外に漠然とした話が出ることは多い。分解思考によって要素を分解すれば、今何をすべきかを明らかにすることができる。特に「解像度が高い」と言われる人は分解の精度が高く、適切な方法を選び、効率的に高い成果を出している。
分解にはいくつかのポイントがある。
まずは、その数字を構成する要素が何かを考え、どんどん分解してみることだ。たとえば「売上」を分解すると、「単価×顧客数」と構成要素に着目して分解できる。さらに分解するなら、「顧客数」は「リスト作成×アポイントがとれた率×成約率」と考えられる。
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