何でも自分でやらないと気が済まない、他の人に任せたり頼ったりするのが苦手――。責任感が強いのはいいことだが、度が過ぎると、私たちの心は疲れて悲鳴を上げてしまう。カナダのコンコルディア大学のカーステン・ロッシュは、うつ病は責任感が強く、物事を投げ出さない人に多く見られると指摘している。
真面目なあなたには、たまには「肩の荷をおろす」ことを自分に許してあげてほしい。「きっと上司がフォローしてくれる」「自分が無理に頑張っても状況は変わらない」「ムキになっても疲れるだけだ」「たまたま天気がよくなかったせいだ」といったように、気を楽にしてみてはどうだろうか。「責任感モード」が強くなり過ぎたら、自分に優しくしてもいいのだ。
「相手に失礼なことを言ってしまったかも」「彼女はいったい何を考えているんだろう」などと、私たちは他人の顔色をうかがいがちである。でも、相手の顔色を正しく読み取ることは不可能だ。そんな不毛な作業に神経を使うのはもうやめよう。
顔色をうかがってばかりだと、言いたいことが言えなくなってしまう。言いたいことを言わず我慢している人は、自分だけでなく相手をもイライラさせてしまうと、米国クイーンズランド大学のメリンダ・ハーパーは明らかにしている。
どんなに頑張っても嫌われるときは嫌われるし、そんなに頑張らなくても好かれることもある。相手を気にしすぎることなく、思ったことはどんどん口に出すようにしてみよう。そのことで相手を不快にさせてしまったり傷つけてしまったりしたら、素直に謝ればいいだけだ。
ナルシストに対してあまりいい印象を持っていない人もいるだろう。だが英国サウサンプトン大学のコンスタンティン・セディキデスは「ナルシストほど心理的に健康」とする論文を発表している。セディキデスによると、ナルシシズムは、悲しみや抑うつを和らげたり、日々の孤独感や不安を感じにくくさせたりするという。
小さなことを気にしてしまう人は、心の中では自分のことを嫌っているのかもしれない。そんな人は少しだけナルシストになってみよう。
ナルシストになるのは簡単で、「自分のいいところ」を紙に書き出すだけだ。100個挙げて、声に出して読み上げる。だんだん楽しくなってきて、自分のことを好きになれるだろう。
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