経営×人材の超プロが教える

人を選ぶ技術

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ジャンル
出版社
フォレスト出版

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出版日
2022年12月06日
評点
総合
4.0
明瞭性
3.5
革新性
4.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

「人を見る目に自信がある」と言い切れる人は決して多くないだろう。学校や新人研修などでノウハウを教えてもらえるものではないし、テストなどでレベルを測ることもできないからだ。

それにもかかわらず、「人を見る目」は社運や人生を左右する。優秀そうな人が面接に来てくれたが、採用して大丈夫か。好意を寄せている相手がいるが、この人と一緒にいて幸せになれるだろうか――。公私問わず、人を見抜く力がなければ痛い目を見るシーンは多々ある。

あなたが「人を見る力」を身につけたいなら、本書を強くおすすめする。著者の小野壮彦氏は、かつて世界最高峰の外資系ヘッドハンティング会社にて、100社以上、5000人超のエグゼクティブ人材を見てきた「トップマネジメントの目利き」だ。本書では、そんな著者が確立した「人を見抜き、見立てる」ノウハウが惜しげもなく明かされる。

考えてみてほしい。エグゼクティブ人材のヘッドハンターは、決して失敗の許されない職業である。「あなたの会社のトップにふさわしい人物だと思いましたが、全然ダメでしたね。実績は豊富だったのですが……」などということは絶対にあってはならない。そんな世界で生き抜いてきた著者のノウハウを知りたくない人はいないだろう。

本書を読めば、ビジネスはもちろん、友人づくりやパートナー選びにも生きる知恵が得られる。素敵な人を見逃がしたり、距離をとるべき人と親しくしたりしたくないなら、これ以上ない一冊である。

著者

小野壮彦(おの たけひこ)
グロービス・キャピタル・パートナーズ ディレクター
起業家・ヘッドハンター・経営者メンター
1973年生まれ。早稲田大学商学部卒業後、アクセンチュア戦略チームを経て、1999年にネットエイジの支援を受け、インターネット上の企業間仲介サービスを提供するプロトレードを創業。翌年楽天に買収され、三木谷社長の経営企画スタッフとして薫陶を受ける。ミラノ・ボッコーニ経営大学院にてMBAを取得し、31歳でJリーグ・ヴィッセル神戸の取締役事業本部長に就任。クラブ経営、チーム強化に従事する。その後プロ経営者を目指し、リヴァンプを経てベンチャー企業の役員を経験。コンサルタント、起業家の二面の経験を買われ、2008年、35歳で世界最高峰のエグゼクティブサーチファーム(ハイレベル経営層のヘッドハンター)であるエゴンゼンダー社に入社。ヘッドハンティング、アセスメント、コーチングを100社以上の企業、約5000人の経営人材へ実施。2016年同社の共同経営者(パートナー)に就任。2017年に前澤友作社長にスカウトされ、ZOZOに参画。本部長に就任。ZOZOスーツの立ち上げ、海外72か国へのグローバル展開を指揮。現在は日本最大級のベンチャーキャピタルファンドであるグロービス・キャピタル・パートナーズにて、組織グロースの支援、起業家メンタリングなどにあたりつつ、自身のスポーツマネジメント会社を経営中。

本書の要点

  • 要点
    1
    「人を見る目」は後天的に身につけられる。「人を見る目」を鍛えれば、所属組織がより良いものになるだけでなく、自分自身の幸せにもつながる。
  • 要点
    2
    「人を見る目」を発揮すべきは、「優秀で無害な人」と「優秀で有害な人」を見抜くシーンだ。
  • 要点
    3
    面接やパートナー選びでは、相手の内面を「4つの階層」で捉えるとよい。地上1階が「経験・知識・スキル」、地下1階が「コンピテンシー」、地下2階が「ポテンシャル」、そして地下3階が「ソース・オブ・エナジー」だ。

要約

仕事でもプライベートでも必須の「人を見る目」

「人を見る目」は後天的に身につけられる

人を見極めるのは難しい。人材採用ならその後の社運を、パートナー選びなら自分の人生を左右するほどの大きな影響を与えるアクションであるにもかかわらず、多くの人が経験則や勘に頼っている。これはとても恐ろしいことではないだろうか。

「答えがない世界だから仕方ない」「人を見る目なんてセンスだから鍛えようがない」と言いたくなる人もいるだろうが、これらは誤解である。人を見る目は科学的に捉えることができるし、トレーニングすることも可能だ。

本書では、スイスの超高級ヘッドハンティング集団で経験を積んだ著者が「人を選ぶ技術」を伝授する。本書で提示される技術は、相手の深層領域をのぞき込み、その人の本質や可能性を見極めるものだ。この技術を磨くための鍛錬は、早くから意識して取り組んだ人が有利になる。

「人を見る目」があれば幸せになれる

「人を見る目」を身につければ、所属組織がより良いものになるだけでなく、自分自身の幸せにもつながる。人を見抜き、見立てる力を身につけようと試行錯誤するうちに、自分自身を見抜き、見立てる力もまた上達していくからだ。その結果、「自分自身に対しての期待値」と「他人が自分へ持つ期待値」を正確に見抜けるようになり、自分と相手の期待値を超えるための努力ができる。

「優秀で無害な人」と「優秀で有害な人」を見抜く
フォレスト出版提供

人を見る目があぶり出してくれるものは、大きく分けて2つある。「人としての優秀さ(できる奴・できない奴)」と「人としての害の有無(いい奴・いやな奴)」だ。

「人としての優秀さ」は「優秀」と「平凡」の2つに、「人としての害の有無」は「無害」と「有害」の2つに分かれる。優秀さを縦軸に、害の有無を横軸にとると、人を分類する4象限が生まれる。それぞれ解説しよう。

パターン(1)は優秀で無害な人だ。この人材を仲間にするために「人を見る目」を習得すると言っても過言ではない。体格を理由にイチロー選手の獲得を見送ったメジャー球団のように、さまざまなバイアスによって見立て違いをしてしまっては致命傷になる。

パターン(2)は平凡で無害な人だ。エネルギーをかけず、期待しすぎず、心地よい距離感で付き合っていけばいい。

パターン(3)は平凡で有害な人だ。有害ではあるものの、その有害さを隠す狡猾さがないため、自然と距離をとることができるだろう。

パターン(4)は優秀で有害な人だ。このタイプはもっとも厄介である。実績があるため、ポジションから外したり辞めさせたりするなどの判断が遅れる。その間に毒が会社の中に回り、組織崩壊を引き起こしかねない。

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要約公開日 2023.01.06
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