「できる人」に共通する心構えの一つ目は「すぐに動け」。GEでは高い潜在能力を持つ人材を「ハイポット」と呼ぶが、彼らの特徴はとにかくすぐ動くことである。①全体的な流れを俯瞰しながら大まかな項目を詰める、②頭を使いつつとにかく仕事に手をつける、③途中経過を上司に報告しポイントを押さえた質問をする、④ダメ出しされても気にせず完成度を高める、という4つを回していれば学歴に関係なくハイポットと評価されるのだ。
心構えの二つ目は「期限は死んでも守れ」。アーサー・アンダーセンでは、自分たちは優秀であるからこそ努力すべきだと日々教え込まれる。仕事の進め方が悪く予想以上に時間がかかった場合、プライドにかけてその時間は勤務時間として報告しないというものだった。厳しく時間を管理する心構えが、仕事の期限を守れる人間にしていくのだ。
そして三つ目は「言われたことだけやるな」。コカ・コーラは、社員自ら手を挙げないと仕事が来ず、成果を残さなければクビになってしまう社風であった。ただ上司に言われた仕事をこなすのでは成果は残せず、積極的に提案をして自分の仕事を作り出すことが大切なのだ。
社会環境が日々変化していく中で、自分の仕事が去年と同じレベルであることは大きな問題であり、実質的な仕事の質の後退となる。些細なことでも良いから、常に仕事のやり方を更新していくことだ。
また、若い時分には未知の仕事でも恐れずどんどんトライして欲しい。何度も失敗を乗り越えれば経験値が増え度胸がついてくるものだ。間違いに気付いた時はつい言い逃ればかりを考えがちだが、早く気持ちを切り替えて、次に何を行えば状況を挽回できるかを考え上司に提案することが大切だ。
トラブルをチャンスと考えず負の出来事と考えてその場から立ち去る「当事者意識のない人」になってはならない。外資系企業の人間関係はドライだからこそ仕事上での信頼関係が物をいう。どんな場合でも当事者意識を持って仕事を行えば、周囲の信頼を勝ち取れるし、壁を乗り越えた経験が成長を更に加速させるのだ。
仕事の質を高めスムーズに進めるためにまず押さえておきたいのは「VOC(Voice of Customer)」、これはGE用語で「顧客の声」という意味だ。ここでいう「顧客」とは、最終的な商品の購入者だけでなく上司や同僚も対象となる。顧客の声を聴き、必要とされるレベル、つまり依頼内容の質、期限を確認することが大切だ。
「CTQ(Critical to Quality)」も欠かせない。これはGE用語で「一番重要なところ」という意味で、
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