「すぐ成長する」仕事術

外資系エリートが実践する
未読
「すぐ成長する」仕事術
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「すぐ成長する」仕事術
出版社
日本実業出版社
出版日
2014年09月20日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

本書は、国民金融公庫に新卒で入社し4年目に公認会計士の資格を取得、その後大手外資系企業3社で実績を積み上げてきた著者の実体験から紡ぎ出される、成長につながる仕事術のヒントが多く詰まった注目の一冊だ。

著者は、サラリーマンなど中間層の消滅を予言した書籍『ザ・ワーク・オブ・ネーションズ』(ダイヤモンド社)を読んだこと、また、比較的短期間で「できる・できない」を判断される外資系企業への転職経験という2つの要素から、変化のスピードが速い現代で生き残るためには成長スピードが重要だと痛切に感じる。そして、外資系企業の「できる人」に共通する3つの心構えを実践したことでビジネスにおいて数多くの実績を積むことができたとしている。常に自分に自信を持って努力すること、そしてその3つの心構え「すぐに動け」「期限は死んでも守れ」「言われたことだけやるな」を意識して取り組むことで、どんな人でも急成長できる人材になるとしている。

本書は著者自身の外資系企業での仕事経験をベースに書かれており、外資系企業への就職を希望する方には職場のイメージにつながる内容になっている。外資系企業だけではなく日系企業のどんな仕事においても参考になる処世術が数多く紹介されている点、日系企業が参考にすべき外資系企業の姿が描かれている点、さらに決して難しい内容ではなく誰もが心掛けられる内容である点から、これから働き始める若い方から現在第一線で活躍する方々まで、幅広い層の人が参考にできる一冊である。

著者

川井 隆史(かわい たかし)
1964年大阪府生まれ。慶應義塾大学経済学部卒、テンプル大学経営大学院修了(MBA)。公認会計士、税理士。
大学卒業後、政府系金融機関を経て、アーサー・アンダーセン、日本コカ・コーラ、GEの外資系企業3社で財務、経営企画関連のディレクター、マネージャーを歴任。即戦力の人材を求める外資系企業に勤務する中で「すぐ成長する」ための仕事術を学び、各社で実績を残した。
その後上場ベンチャー企業の役員CFOなどを経て、T&Aマネージメントを創業。ベンチャー・外資系企業の事業計画、会計・税務のコンサルティング業務を手がけており、たんなるアドバイスだけでなくビジョナリー事業パートナーとして実行に深く関与していく手法に特徴がある。
趣味はアウトドア活動と料理。また週末はボーイスカウトの指導者としての顔を持つ。

本書の要点

  • 要点
    1
    「できる」人の共通点は、「すぐに動け」、「期限は死んでも守れ」、「言われたことだけやるな」を実践していることだ。仕事の質を高め常に変化を意識し、新しい課題に果敢にチャレンジする精神が成長につながる。
  • 要点
    2
    顧客のニーズを捉え計画通りに仕事を進めるには、何をすべきか常に意識することが大切だ。また、上司への報告方法を結論と根拠と判断材料として簡潔にする、自分の仕事をブラックボックスにしない、数字に強くなる、といったポイントも信頼獲得に欠かせない要素だ。
  • 要点
    3
    若い人材でもリーダーとしての自覚を持ち、日々の仕事に高い目標を課す姿勢が求められる。

要約

【必読ポイント!】 外資系企業3社で学んだ「すぐ成長する人」に共通する心構え

maxuser/iStock/Thinkstock
どんな仕事・会社でも大切な3つの心構え

「できる人」に共通する心構えの一つ目は「すぐに動け」。GEでは高い潜在能力を持つ人材を「ハイポット」と呼ぶが、彼らの特徴はとにかくすぐ動くことである。①全体的な流れを俯瞰しながら大まかな項目を詰める、②頭を使いつつとにかく仕事に手をつける、③途中経過を上司に報告しポイントを押さえた質問をする、④ダメ出しされても気にせず完成度を高める、という4つを回していれば学歴に関係なくハイポットと評価されるのだ。

心構えの二つ目は「期限は死んでも守れ」。アーサー・アンダーセンでは、自分たちは優秀であるからこそ努力すべきだと日々教え込まれる。仕事の進め方が悪く予想以上に時間がかかった場合、プライドにかけてその時間は勤務時間として報告しないというものだった。厳しく時間を管理する心構えが、仕事の期限を守れる人間にしていくのだ。

そして三つ目は「言われたことだけやるな」。コカ・コーラは、社員自ら手を挙げないと仕事が来ず、成果を残さなければクビになってしまう社風であった。ただ上司に言われた仕事をこなすのでは成果は残せず、積極的に提案をして自分の仕事を作り出すことが大切なのだ。

小さなことでもいいから自分の仕事をアップデートしよう

社会環境が日々変化していく中で、自分の仕事が去年と同じレベルであることは大きな問題であり、実質的な仕事の質の後退となる。些細なことでも良いから、常に仕事のやり方を更新していくことだ。

また、若い時分には未知の仕事でも恐れずどんどんトライして欲しい。何度も失敗を乗り越えれば経験値が増え度胸がついてくるものだ。間違いに気付いた時はつい言い逃ればかりを考えがちだが、早く気持ちを切り替えて、次に何を行えば状況を挽回できるかを考え上司に提案することが大切だ。

トラブルをチャンスと考えず負の出来事と考えてその場から立ち去る「当事者意識のない人」になってはならない。外資系企業の人間関係はドライだからこそ仕事上での信頼関係が物をいう。どんな場合でも当事者意識を持って仕事を行えば、周囲の信頼を勝ち取れるし、壁を乗り越えた経験が成長を更に加速させるのだ。

仕事の質を高めスムーズに進めるためのコツ

whitetag/iStock/Thinkstock
VOCとCTQ

仕事の質を高めスムーズに進めるためにまず押さえておきたいのは「VOC(Voice of Customer)」、これはGE用語で「顧客の声」という意味だ。ここでいう「顧客」とは、最終的な商品の購入者だけでなく上司や同僚も対象となる。顧客の声を聴き、必要とされるレベル、つまり依頼内容の質、期限を確認することが大切だ。

「CTQ(Critical to Quality)」も欠かせない。これはGE用語で「一番重要なところ」という意味で、

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要約公開日 2014.11.14
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